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電動ガンカスタムの定説の検証

今回は沼にハマり、これまでたくさんの電動ガンカスタムに失敗し、時には破壊してきた私が失敗例を紹介いたします。記事にした理由は、失敗例の中でも「通説」と呼ばれているモノを試したらそうならなかった事がいくつかあったからです。
「この定説、嘘ですよ」と言う事ではなくて「ぶっ壊すまで試したら定説になった理由がわかった!」と言うお話です。

この記事の目的

●気になっていたカスタムの実情はこんな感じだったと言う紹介
●定説通りに施すと壊れる事があると言う啓蒙
●定説を検証、微力ながら効果の説明補完の一助になれれば幸いです。


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その1 フルシリンダーを入れれば初速が上がる


加速シリンダーよりもエア容量が増えるから初速が上がると言う定説がありますが、単純にただ入れただけだと初速が下がり、サイクルやキレも落ちてしまいます。

フルシリンダーの役割

インナーバレル長400mm以上の電動ガンの初速を保つのが本来の役割です。インナーバレル長400mm以上の電動ガンに加速シリンダーを使用すると、BB弾がインナーバレルから出る前に加速に必要なエアの圧力が消失してしまい、銃口初速が低下してしまいます。

フルシリンダーの特徴

東京マルイ M14が解りやすいです。この銃にはフルシリンダーが使用されています。初速は充分出ていますが、セミオートのレスポンスは遅く、フルオートのサイクルも遅いですが発射音はかなり静かです。なぜ発射音が静かなのかと言うと、2つ理由があります。

①ピストンが加速しないので、打撃音が小さい
②400mmを越えるインナーバレルからBB弾が出るあたりで、ちょうど加速に必要なエアの圧力が消失するので発射音が小さい

静音性については、①の効果が大きいと思います。また、ピストンが加速しないと言うことは、ピストンスピードが遅い。つまりサイクルが遅いのでレスポンスも加速シリンダーを使用している電動ガンよりも遅くなります。


なぜ定説になったのか

おそらくですが、大きな負荷のかかるカスタムでフルシリンダーを使用するものがあるのですが、その銃を見て「フルシリンダーを使う→初速が上がる」と言う話になっていったのではないでしょうか?

「大きな負荷のかかるカスタムでフルシリンダーを使用するもの」とはどんなカスタムかというと「銃口初速を法定値に収めつつ、BB弾に高回転をかける」カスタムです。何故高負荷が掛かるのかと言うと、3つほどパワーでゴリ押しする必要があるからです。

①フルシリンダーのエア容量を強いスプリングを用いて、加速シリンダー並みのスピードでゴリ押して圧縮する
②強いスプリングに耐えられるギア、ピストンに交換した上で、ハイトルクのモーターでゴリ押して作動させる
③7.4Vだとサイクルが遅いので、11.1Vの電圧でゴリ押してサイクルとレスポンスを引き出す

このカスタムは高回転をかける必要があるため、ホップアップも通常のものではなく、長掛けと呼ばれる回転を加える突起の面積が広い押しゴム、フラットな形状か、突起自体が長いホップパッキンが必要です。


ほぼほぼ定説のセッティングを実装した電動ガン

レビュー動画



その2 タイトバレルを入れれば命中精度が上がる

これは難しい問題です。電動ガンとの相性というものがあって、一概に命中精度が上がるとは言い難いからです。状況によって使い所がありますので、紹介していきます。

タイトバレルが生まれた大まかな経緯

わかりやすさを優先するためにざっくりと説明いたします。生まれた経緯が2つあります。

①バレル内径をタイトにすることでBB弾のブレを無くし、命中精度を上げるため
②バレル内径をタイトにすることで圧縮空気の逃げを少なくして初速を上げるため

こちらは組み込むにあたって、まず「電動ガンの工作精度が高い」事が前提条件です。もっと言うと、タイトバレルは元々、日本製の電動ガン、ガスガン、エアコキライフルの為に生まれたようなものだからです。

①バレル内径をタイトにすることでBB弾のブレを無くし、命中精度を上げるため。
これは内部メカを弄らずに、部品交換のみで行えるお手軽カスタムなので人気が出た

②バレル内径をタイトにすることで圧縮空気の逃げを少なくして初速を上げるため。
これは内部メカを弄らずに(高負荷なカスタムをせずに)、バレル内径をタイトにして初速を上げられるお手軽カスタムなので人気が出た


タイトバレルの特徴

これは私の失敗例のお話です「だからオススメできない」と言うお話ではありません。

①BB弾のメーカーを選んでしまう
質の悪いBB弾を使用すると弾詰まりを起こします。動作性が犠牲になると言う事です。

②飛距離が落ちる
内径がタイトになる事で、バレル内でBB弾の回転が減衰します。ブレがなくなり命中精度が上がる反面、40m以上での弾の落下や減速が6.08mmのバレルと比べて差が顕著に出てきます。

③長いバレルには向かない
これはケースバイケースかも知れませんが、②のバレル内でBB弾の回転が減衰する時間が長くなる分、更に飛距離が落ちます。

④銃自体がとてもデリケートになる
BB弾の質を気にしたり、少しバレルが汚れると弾道が乱れたり、次世代電動ガンやガスガンのように、銃自体が激しく振動する状態で撃ち出すので、思ったほど性能が上がることはないと思います。
タイトバレルの性能自体は高くても、それ以上にその性能を殺してしまう要因が多すぎる気がします。

おそらくですが、東京マルイさんが6.08mmを採用しているのは、タイトバレルを実験してこの事に気がついたからだと思います。

タイトバレルの使い所

①インドアサバゲー
飛距離が落ちるとはいえ命中精度は上がります。つまり交戦距離が短ければ有利に作用します。そして汚れにくい環境なので、汚れにくくパフォーマンスの持続時間がアウトドアより長いです。

②シューティングマッチ
ターゲットとの距離が30m以内で一定な場合、BB弾の弾道が一定にできると言うのはとても大事だと思います。

なぜ定説になったのか

おそらくですが、シューティングマッチ用の銃か、インドア用のセッティングの銃を見て「タイトバレル→命中精度アップ!」となったのだと思います。



その3 〇〇mフラットに飛ぶ

フラットには飛びません。以上です。

なぜ定説になったのか

おそらくアイアンサイトや光学機器を覗いて撃った際に、BB弾が左右にブレが無く、下から上に真っ直ぐ飛んできているように見えるからだと思います。
正確にはフラットではありませんが、それはとても良い弾道です!


その4 ヘリカルギアは静音になる

モーターピニオンの交換が必要なタイプ
お手持ちのモーターミニオンを変えなくても使えるタイプ

ヘリカルギアについては、ほぼ私の失敗談になります。静音になっていると思いますが、なんかシャープな動作音になって音が独特になる印象です。

静音うんぬん以上にセッティングが大変

ヘリカルギアはハイトルクギアです。なので通常のセッティングからギアだけ交換するとセミオートがオーバーランしたり、勝手にプリコックになったり、ピストンの停止位置が毎度バラバラになったりと、ちゃんと動作するまでの調整が面倒です。もう静音とかどうでも良くなります。

調整内容としては、モーターを弱くするか、スプリングを強くするか、電子トリガーでセクター位置を制御するかだと思います。

ヘリカルギアは高負荷カスタムも低負荷カスタムも可能

強いスプリングを組み込む高負荷カスタムでも、通常セッティングに電子制御でセクター位置が同じになるようにすれば、低負荷でレスポンスを上げる事ができます。

なぜ定説になったのか

おそらく電子制御によって、低負荷でレスポンスを上げる事ができる点が原因かも知れません。ユーザーさん目線で考えると、ヘリカルギアによって音が独特になり、尚且つ電子制御を入れる前よりも発射までのロックタイムが少なくなる→ギア音が少ない→静音化したからかも知れません。


ざっくりですが、纏めてみました。皆さんの電動ガンライフの一助になれれば幸いです。

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