この半年のまとめ(2023月1月16日~7月15日)

予告どおり、まとめをさせていただきます。
この半年間、かなり滞り気味ながら、少しずつ米中関係で起こった出来事をスクラップして参りました。その際に心がけた注意点は、次の3つでした。

まずは、ファクトを中心とし、オピニオンは取り上げないこと。これは、オピニオンが重要ではないという意味ではなく、オピニオンは係争的であるため、偏りのない議論を行うためにも、係争の余地の少ない(「ない」とはいえないまでも)ファクトを共有する必要があると思ったことによります。

2つ目は、協調面と対立面を共に取り上げるということです。これまでのところ、米中関係が対立的側面に焦点を当てて論じられることが、もはや「デフォルト」である状況が続いてきました。大手のメディアでも、「米中対立」や「米中衝突」などの勇ましいタグが設けられ、いかにも戦争間際といった印象を強く与えるものばかりでした。

ただ、そのような対立的な側面がある一方(もちろん否定はしないです)、結構な割合で協調面でも進展があり、それらを取り上げないことにかなり違和感を覚えてきたことも事実でした。そのため、例えば協調的な出来事は、どこに分類されるのか、タグが見当たらないし、記事も見当たらないな〜と思っておりました。

従って、両方のファクトを同時に観察する必要があると考え(これは当方のオピニオンですが)、このスクラップ帳を始めさせていただきました。

上記の状況は、しかしながら、この半年間で、随分変わったように思われます。ですので、もはやこのスクラップ帳も、お役目御免かもしれません。

3つ目は、無料でアクセスできるもののみ取り上げる、ということです。中には、無料で読めるところまでをご紹介し、それ以上はリンク先で(お手続きの上で)お読みいただくようなご紹介の仕方をさせていただいたものありました。が、基本的には、無料アクセスでとれる情報に限定しておりました。

初めはごくごく少数の方にのみお知らせしただけでしたが、noteのリンク機能のお蔭様でしょうか、いろいろな方にご覧いただくことができ、予想外の反響もいただき、楽しく進めさせていただいております。

3か月遅れでファクトを貼り付けている状況ですので、最新情報のフォローにはお役立ていただけないかもしれませんが、経緯、推移を大づかみにする際に、ご参照いただけましたら幸いです。

それでは、この半年(とはいえ、3か月遅れですが)の記事で、アクセスの多かったものをご紹介させていただきます。ただ、当方のまとめ記事や、スイーツの写真はランキングから外してリストアップさせていただきます(実は、それらもかなり上位に食い込んでおります・汗)

第1位

イエレン財務長官の米中経済関係に関する講演録、非常に多くの方にお読みいただきました。そのため、ここで改めて内容を繰り返すことは控えさせていただきますが、昨日、今日も、この基調路線を確認することが出来るような動きが多く報じられています。

第2位

"In the first quarter of 2023, China overtook Japan as the world’s top auto exporter for the first time, according to a report in Nikkei Asia." という一文に衝撃を受けながら、BYDの快進撃を知ることのできる、貴重な記事でした。

第3位

そういえば、そんな話があった、という感じで、遠い昔のことのようになっておりますが、こちらも多くの方にお読みいただきました。

第4位

こちらは、中国でビジネスをされる方々にとっては喫緊の課題となる、経済活動の安全性確保に関する記事でした。中国における企業の操業環境が、今後どのようになっていくのかは、ますます注目されるところだと思われます。

第5位

こちらも、中国における多国籍企業のビジネス環境に関する報告書で、過去30年のビジネス慣行にどの程度の変更が余儀なくされているのかを分析しています。一様にデカップリングが進んでいるわけでも、また中国にしがみついているわけでもない、多様な姿が見渡せます。


第6位

米国連邦議会下院に今年新たに設置された、通称「中国委員会」の委員のプロフィールが紹介されています。いわゆる対中タカ派議員のリストとも言え、世論の強硬論を代弁する役割を担っています。

第7位

習近平=ビル・ゲイツ対談の様子を垣間見ることのできる動画でした。ビル・ゲイツ氏に限らず、米国のビジネス・リーダーたちと中国共産党指導部との関係の強さは、至るところで確認できます。

第8位

こちらは、6か月かけて、徐々にアクセス数を伸ばしてきた、長寿の記事といえます。miHoYoなるゲームをしたことがないので、あまりよく理解できていないのですが、日本のソフトパワーがその影響力を拒否された一件と位置付けられるのかどうか、今後も検討していきたいと思っています。

第9位

中国との付き合い方において、経済的相互依存と経済安全保障を同時に追求する日本のモデルが紹介されています。

第10位

2023年2月28日に開催された、米国連邦議会下院の外交委員会における公聴会の事前証言へのリンクです。4名の証言者が、それぞれ「対中輸出規制」、「対立ではなく競争する対中政策」、「インフラ援助をめぐる米中競争」、「中国による援助の武器化に対する米国の対応策」について証言を行っています。

以上のような記事が、上位10位ではありましたが、11位以下とあまり大差ないアクセス数のものもあり、幅広くお読みいただいたことが分かります。
このようなファクトを共有させていただいた上で、「なお対立だ」、「いや協調だ」などのオピニオンが展開されればと願っております。

個人的には、かなり以前から、米中の対立面に注目・言及しては、「米中間では経済的相互依存が深化しているのだから、衝突は起こりえない!」とお𠮟りをいただいてきた歴史があり、マイノリティであることを自認しておりましたが、ここに来て、協調面について注目・言及しては、「米中は対立基調にある!」とのお叱りを受けており、いつになってもマイノリティのままのようです。

いずれにしましても、オピニオンの前にファクトを、の姿勢で、今後もお読みくださる方がいらっしゃる限りは、何とか細々ながら、観察を続けてまいりたいと思います(美味しそうなもののご紹介も)。
引き続き、何卒宜しくお願い申し上げます。


【ご参考】