新世界より

本日は、新世界よりという小説を紹介したいと思います。


新世界よりは、貴志祐介による日本のSF小説です。

好評のため、アニメにもなりました。


人類が”呪力”という強大な力を手にした1000年後の世界を舞台としています。


このタイトルはアントニン・ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」に由来しており、
作中でも、第2楽章「家路」が何度も流れています。
美しいが…どこか寂しさも漂う、そんなメロディーとなっています。

小説は文句無しの傑作となっていました。
ただ、上、中、下の3冊で1000ページを超えており内容も複雑です。

アニメは、初見で理解するには困難なものとなっていました。
辞書並みの本作を25話にまとめるのは、大変だったとおもいます。

アニメから入った方はおそらく「なんだ?この作品は…」となったことでしょう。

しかし、小説もアニメも後半から、ゾクゾクする面白さがありました。

「何か…とんでもないものが迫ってきている…」そんな恐怖の対象を、リアルに描けていたと思います。

作中では、バケネズミという人間並の知性をもった悍しい生き物が存在しています。
しかも、大勢います。
そして、人間は約0.3〜2%しか生き残っていません。

99%の人はどこへ消えたのか?

1000年の間に血塗られた歴史が隠されています。
しかし、検閲により知ることは許されず、知った者は重大な処罰を受けます。

いったい何があったのか?最後のどんでん返しが凄い作品となっていました。

本作はセンシティブな描写が多く、世界観も薄暗いため、精神的に余裕のある人向けの作品と言えるでしょう。

ご興味のある方は、是非、一読してみて下さい。

最後に、この作品に出てくる専門用語を3つほど解説したいと思います。

呪力:いわゆるサイコキネシス、対象の物体に、触れずに力を加えることができる。例えば、視界に入った人やビルを圧殺することもできるし、視界に入らずともイメージ通りの対象であれば動かすことくらいはできる。

呪力の干渉:これは互いが同じ対象に呪力を発動した場合、干渉で打ち消し合ってしまう現象のこと。非常に危険な現象のため、学生の頃からむやみに呪力を発動しないよう教育を受けさせられます。

攻撃抑制と愧死機構
攻撃抑制は呪力を持った人間が平和な世界を築くため、科学者が人間の遺伝子に刻み込んだもの、人間が人間を攻撃しようとした場合、潜在意識で自制します。

愧死機構は仮に人間を対象として瞬殺してしまった場合、そのものはパニック発作で死に至る仕組みです。

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