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【バトンリレー企画】~心に残るあのエピソードをあなたへ~ いや~、家族ってホントにいいもんですね。




「地球最後の日、最後の晩餐にあなたは何を食べますか?」





人によって答えは様々だと思う。小さい頃から慣れ親しんだおふくろの味や、震えるほど感動した名店の味…。




そんな中、うちの旦那は迷わずこう答えるだろう。






「ポテトとコーラ」





断っておくが、彼はアメリカ人ではないし、タカアンドトシのトシにツッこまれたくてボケている訳でもない。





純粋な日本人として、義母の作るおはぎでも、過去に私が作ってあげた彼ごはんでもなく、揚げたじゃがいもとそれを流し込む褐色の炭酸飲料を愛しているのだ。






旦那の嗜好は小学生の頃から変わっていない。
それを裏付けるこんなエピソードがある。旦那の親友から聞いた話だ。








小学4年生の頃、習字の時間に書初めをすることになった。

お題は「自分の好きな言葉」






各々、「友情」「努力」「笑顔」など定番の言葉を筆で書いていく。
授業の終盤、教室の後ろの方にそれぞれの作品を掲示することになった。

旦那の書いた書初めは、その中でもひときわ異彩を放っていたらしい。





旦那の書いた好きな言葉。それは…。
















「いも」











もう一度言う。











「いも」



だ。


再現してみました。







勘違いして大好物を書いてしまい、しかもそれが張り出されるなんて自分の身に置き換えてみたらもう穴があったら入りたいくらいの失態だと思うのだが、親友曰く、「何故か満足げだった」らしい。





時を経て令和4年。私たちは結婚し、二人の子供を授かった。
小学3年生の娘と、2歳になる息子。




息子は何でも真似したがるお年頃。
お姉ちゃんがノートを広げ絵を描いている横で、自分もとカレンダーの裏に何やら鉛筆で描きつけている。
手を動かすと線が次々現れることが面白くて仕方ないようだ。





ある日、息子が描いた絵を持ってきて見せてくれた。
私にはただ乱雑に線が引いてあるようにしか見えないが、彼にとっては立派な作品なのだろう。
目線を同じにして聞いてみる。







「わー、上手だね。これは何を描いたのかな?」







すると息子はたったの一言。

















「いも」












私はここに、生命の神秘を感じずにはいられない。この子は確実に旦那の血を引いている。
血は水よりも濃い、とはよく言うが、旦那の血中に多めに流れているじゃがいもの炭水化物は、間違いなくこの子に受け継がれ、小さな手で作品へと昇華されたのだ。







きっと息子はこの先、幼稚園でのお絵描きの時間、画用紙からはみ出さんばかりの勢いで元気いっぱいじゃがいもを描き、先生たちを困惑させるだろう。

そして小学生になり、書初めの時間にしたためるものといえば言わずもがな。
歴史は繰り返される。

それにより例え私が教育機関から呼び出しをくらおうとも、肩を震わせながらこうべを垂れるしかない。だってこの子は旦那の子供なのだから。






地球最後の日。隕石が地球に迫りくる中でも、旦那はマクドナルドに車を走らせるだろう。
店員はとっくに逃げ出し、シャッターを下ろそうとしている店長に後生だからと懇願し、厨房に無理矢理入れてもらうのだろう。
旦那の大好きな、ポテトが揚がった際のティリティリ音。それを合図にポテトを頬張り、恍惚の表情を浮かべる。


その横にはきっと最愛の息子。


やけどしないように少し冷ましたポテトを渡し、心ゆくまで最後の晩餐を味わうはずだ。












私は娘を連れて逃げる。













※※※

最期までお読みいただきありがとうございました。




今回の作品は、まいまいままさんからお声がけいただいたこちらの企画に参加しています。



【バトンリレー企画 2022】~心に残るあのエピソードをあなたへ~






企画の趣旨に則った記事であるかどうか若干心配な部分はあるのですが、とりあえず一生懸命書いたことは間違いないのでどうか見逃していただけたらなと思います。







今回バトンを渡してくれた方


まいまいまま  様




ご家族の日常を書かれた “2分で読める子育てエッセイ” を何と!毎日投稿されています。そのバイタリティがすごい。
本当に2分で読めて、クスっと笑える。明日はどんな記事かな?とこちらの日常までワクワク。
そんな素敵な記事が満載ですので、未読の方は是非一度訪れてみてください。




次のバトンについて




フォロワーさんの中から…と思ったのですが、ほとんどがツイッター経由でフォローしてくださった方達ばかりで、noteを主戦場にしている方がおらず、唯一交流していた方がまいまいままさんだったので、今回は誠に申し訳ないのですが一旦チェンナーさんにお返しします。





今は時間の制約がどうしてもあり、ブログとツイッターだけで手いっぱいでnoteでの交流が全然できていませんでした。
ですがnoteではこういう素敵な企画もあり、そこに参加することで他の方の記事を読む機会、交流する機会がいただけることが良く分かりました。

ですのでこれからは他の方の記事をたくさん読んで、お友達を増やしていきたいと思っています。
見かけた方、仲良くしていただけたら嬉しいです。








素敵な企画をありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

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