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40%キーボードminipeg48 キー配置編(前編)

ぼくがかんがえたさいきょうのキー配列

さて、minipeg48などのミニマムキーボードと言えば、一番の肝はやはりキー配置のカスタマイズでしょう。

私はいわゆる60%キーボードと呼ばれるHHKBを常用してますが、正直、60%もあればキーの数としては十分過ぎます。テンキーなんてホームポジションから大きく手を動かさなきゃならない分、むしろ煩わしいだけです。会計の仕事をしている人とか、数字をガンガン入力する人だとテンキーが必要なんでしょうが、私のようなプログラマは、数字の入力はさほど多くないです。ホームポジションから手を離してまでテンキーで数字を入力するメリットなど皆無に等しい。

カーソルキーとファンクションキーが無いのが気になるポイントではありますが、カーソルキーはともかく、ファンクションキーはさほど使用頻度は高くないので、Fnキーとの複合入力で特に不自由はしてませんでした。HHKB Professional2 JPには物理カーソルキーがあったので、余計不自由は無かったです。

しかし、さすがに40%ともなると、そうはいきません。なにしろ、60%と比べるとキーの横一列がまるごと消えている格好です。この時点で既に、既存のアルファベットキーと数字キーが共存できません。ファンクションキーどころの騒ぎでは無い。

なので、こういったミニマムキーボードの類いにはだいたい「レイヤー」という機能が組み込まれています。複数のキーマップを切り替えて使う機能で、これでキーの不足をカバーするわけですね。

HHKBなどの60%キーボードや、ノートPCのキーボードで見られるFnキーも、一部のキーの役目を変えられるという点で、レイヤー機能の一種です。HHKBでは通常レイヤーと、Fnキーを押したときのレイヤーという2枚のレイヤーを切り替えて使うことで、キーの不足を補っているわけですね。

40%ともなると、HHKB以上にキーが少ないですから、3枚以上のレイヤーを駆使しないと、おそらく十分ではありません。

と言うわけで、どのようにレイヤー分けするか、各レイヤーにどのようにキーを配置するかに、使い手の個性が強く出ますし、一番のこだわりどころ、つまり「沼」なのですね。

そう、私は恐ろしいことに、その「沼」を深掘りしようとしているわけです。

結論から先に言うと、私はデフォルトレイヤーを含め、全部で7枚のレイヤーを用意しましたwwww

多すぎるだろ!と突っ込みを受けそうですが、もちろん、無駄にレイヤーを増やしたかったわけではなく、用途を踏まえての私なりの合理的な判断と、実際に少し使ってみての感触を元にこうなってます。

では、「ぼくがかんがえたさいきょうのキー配列」をご紹介して行こうと思います。

前提

自作キーボード界隈では「Remap」と呼ばれるサイトで、Webブラウザ上でキーカスタマイズとファームの更新をするのが一般的らしいのです。しかし、このサイトはminipeg48には対応できてないと言う情報を得ていたので、私は自分のPCにファームウェアのビルド環境を整え、直接ソースコードを修正してファームをビルド&フラッシュする方法をとりました。

が、どうやらそれは古い情報だったようで、今はRemapが使えるようになっているみたいです。

今試したら、普通に私のminipeg48を認識しましたし、設定の変更、フラッシュもできそうでした。

なのでまあ、プログラミング言語とか解らなくても、多分大丈夫です。

デフォルトレイヤー(Layer 0)

で、肝心のキーマップですが…

ほとんどの人は、デフォルトレイヤーには、やはり日本語のローマ字入力も含むアルファベットの入力の役割を与えるでしょう。これはさすがに私も例外ではない。

で、最初の案は、「まあ普通こうなるよな」という感じのオーソドックスなものでした。

デフォルトレイヤーの第1案

アルファベットキーを中央に集め、CTRLやALT、Shiftといったモディファイア系のキーや、Esc、BSなどの特殊キーを外辺に配した、おおよそ既存のキーボードから数字キーを省いて、横に少し圧縮したもの。

おそらく、世に出回っている40%キーボードのデフォルト配列は、概ねこれに近いものだと思います。

一般的なキーボードの基本的な配列から、大きく逸脱しない配置。無難と言えば無難だが、工夫も無い。

で、何かもう少し工夫を凝らす余地は無いかとWebをさまよっていたら、この記事に出会ったのです。

こちらの筆者さんは、さらにキー数を攻めた30%キーボードのユーザーですが、

「小指って小さいし力入れづらいのにキーボードでの役割重大すぎない?」

上記記事より

この言葉に強い共感を覚えたのです。

確かに、タッチタイピングでの小指の役割ってかなりハードモードなんですよ。特に右手は、なんか当然のように人差し指よりも役割が多くて、かなり遠いところまで(EnterやBackspaceなど)出張に行かされる。これって確かに非合理だよなぁ、と。

本来、小指は中指や薬指と同じく、担当範囲を一列に絞るべきだろと。

そこで、思い切って両手のホームポジションを1つ外側にずらすことにしました。そして、本来小指に背負わされていた特殊キーの類を最下段に集め、親指に担わせるようにしました。

というわけで、デフォルトレイヤーの第2案がこれです。

デフォルトレイヤーの第2案

最下段の赤いキーが、両手親指で操作するキーになります。表記が2行になっているキーは、長押しと単押しによって、レイヤー移動なしで1つのキーに2つの役割を持たせています。例えば、最下段の左から3つめのキーは、短く押すとエスケープキー、ホールド(長押し)するとシフトキーになります。これはファームウェアの機能ですが、これによって一部のキーはレイヤーを切り替えること無く1つのキーに複数の役割を兼任させることができます。それを駆使することで、特殊キーをほぼ全て親指の活動範囲に集めることができました

結果、小指の負担をかなり軽減することには成功しましたが、その代わり、真ん中にぽっかりと何も役割が無いキーの塊が発生。ホームポジションを外にズラし、溢れた分を最下段に詰め込んだので、まあ当然こうなるわけです。

が、さすがにデフォルトレイヤーに役目の無いキーを残すのは勿体ない。

この中央領域は、は人差し指にちょっと頑張って出張してもらうことになるのだけど、割り当てるとしたら何がいいか。

最初カーソルキーを配置してこんな風にすることも考えましたが…

カーソルキーを置いてみたが

…やっぱ何かが違う。それに微妙にかっこ悪い。

それに実際にファームを書き込んで動かしてみると、Ctrl-c→Ctrl-vというコピー&ペーストの入力が死ぬほどやりづらかった。Ctrlもcもvも左手の担当領域にあり、キーピッチが狭いのもあって、これらを同時押しするのはかなり窮屈だったのです。

どうやら、モディファイア系キー(Ctrl, Alt, Shift, Winのような、他のキーとの組み合わせで機能するキー)とアルファベットキーを同じ側の手で入力するのは、このキーボードのピッチではかなりキツそうというのが見えてきた。ということで、モディファイア系キーを左右両方に配置するのが絶対条件らしい。

それを踏まえ、両親指の担当キーをこのように変更しました。

親指の担当

中央からCtrl、Alt、Shift、Winの各モディファイアキーを、左右対称に並べました。中央4つのキーはスペースキーと兼任です。

その結果、ここから弾かれてしまったEscape、全/半、TAB、Backspace、Delete、Insertといったキーを別の箇所へ持っていくことになりますが、当然ながら空席になっていた中央の領域に入り込むことになります。

というわけで、デフォルトレイヤーの最終案はこうなりました。

デフォルトレイヤー最終案

…DeleteとInsertはどこ行った? と気づいた方もいるかもですが、これらは別のレイヤに移すことにしました。DeleteはBackspaceでほとんど代用できますし、Insertはそんな頻繁に使わないですし。

その代わり、日本語入力で比較的多用するファンクションキーのF7と、カタカナの長音記号(「ー」のこと)入力のためのハイフンを中央領域に配しました。

所々にあるL1, L2, … ,L5は、レイヤー切り替えです。後で紹介しますが、先ほどのDeleteとInsは、Layer1に移しました。

また、最下段の両端計4個のキーは、実はほとんど使わないキーですね。全ての指のホームポジションからは微妙に遠いので、これらには「あれば便利だけど、なくてもまあ…」な機能を割り当てることにしました。

そう考えると、きちんとキー配置とレイヤー構成を最適化すれば、実は40%キーボードどころか30%でも全然イケるんじゃないかとちょっと思い始めてます。

…おっとやべぇ、これが沼の入り口か。

まだまだキー配置のあれやこれやは続くのですが、長くなりすぎたのでここでいったん切ります。

ある意味、ここまでがカスタマイズの一番こゆいところなので、次回の記事はややアッサリ風味になると思います。

あ、結局総額いくらくらいになるのかも、次回公開します。

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