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夏の魔物に会いたかった

音楽ネタで書くのは実に久しぶり。

もうすぐ9月が終わろうかというのに、まだ夏の名残を惜しんでいる。

今年の夏、そういえば、夏の魔物に会えたかどうか、自分に問うのを忘れていた。

『夏の魔物』

夏に必ず聴くことにしている、スピッツ(日本のロックバンド)の名曲である。
1991年に発売された、スピッツの通算2枚目のシングル曲なのだそうだ。

今、スピッツを、日本のロックバンドだと書いた。ちなみに、これは書き間違えたのではない。
そう、スピッツはロックバンドである。

***

思えば、特に思春期、どういうわけだか、スピッツのフリーク達に囲まれていた。

お世話になった国語の先生。
スピッツの『スターゲイザー』の解説をしていた。
既にご結婚されていたが、草野マサムネさんをいささか好きになりすぎていた。

スピッツといえば。
・『空も飛べるはず』
・『チェリー』
・『ロビンソン』
この辺りが有名。多分、私よりだいぶ若い方でも知っているのでは。

『空も飛べるはず』を歌っていて、ある日、歌詞がひどく抒情詩であることに気付いた。

幼い微熱を下げられないまま神様の影を恐れて
隠したナイフが似合わない僕をおどけた歌で慰めた
空も飛べるはず by スピッツ

スピッツが好きだと言っていた友人にその気付きについて話すと、
「そうなの、スピッツは詩人なのよ」
と彼女は嬉しそうに返した。

***

読んで下さっている皆様に、『夏の魔物』をお届けしたいのですが、オフィシャルの動画が見当たらないのが残念。

一節書きますと、

幼いだけの密かな掟の上で君と見た
夏の魔物に会いたかった
夏の魔物 by スピッツ

贔屓目すぎるかもしれないが、もう、この一節だけで、色んな想像を掻き立てられる。

読む人、聴く人それぞれに、自分の『夏の魔物』がいる。

スピッツの曲の解釈は、意図的に一意には定まらない構成になっている。それがまた魅力的であり、ネット上でも色んな方が、曲の考察を書いている。

この『夏の魔物』についても、色んな人が、色々と解釈している。

全文書くのはよくないかもしれないので、ここには掲載しませんが、『夏の魔物』は「こども」を指している説が有力であるという印象を受ける。
全文読むと、確かに筋が通る気がする。

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御託は置いておいて。
『夏の魔物』はその時々により変わる。そんな気がしている。

なので、私は毎夏、今年の夏の魔物に会えたかどうか、自分に問うことにしている。

え、今年はどうかって?

それは多分、今夏書いた文章の中にいると思うのです。

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