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どうせならビューティホー!

本当にうまいなあ、と思う。

ある意味、天才かも、とも思う。

何の話かと言うと、きっと今はどこの会社も同じよーなことやっているはずだろうけど、まだイケてた時代の日本を支えていた70歳くらいの会社の先輩たちを呼び戻して、安い賃金で働かすうちの会社のやり口戦略に対してである。

確かに責任感と正しいプライドを持つ彼らだから、薄給だろう何だろうがそんなのお構いなしに、まさに老体に鞭打ちながら、何も言われなくても勝手に目の前の仕事を全力でガムシャラにこなしてくれるからね。

おかげで、そのうちのひとりは無理がたたって、先日、肺を手術したばかりだ。

そして、職場に復帰して以降、仕事が終わった後にゼェゼェと苦しそうに息をする彼の姿を見ていると、何ともやるせない気持ちになる。

そりゃあ、どうしたって現役世代の自分(ロスジェネの当事者)の不甲斐なさを呪いたい気持ちになるのが人情というものだ。

しかし、実はそんな自分以上に内心、なんだかなあ、と思ってしまうのは、そんな彼らに対して労いの言葉ひとつかけない、偉い、いやただ偉そうな人たちのことだ。

仮にその冷酷無比さ加減をクールと思うのが今の時代のトレンドなのだとしても、ほとんど絶命寸前のシーラカンスかカブトガニみたいな人間の僕にとっては

最新のヘアカットとファッションでビシッと決めた、うっすらドヤ顔な今風のビジネスマンなんかより、

やっぱり会社の利益のためとか以上に、目の前の困っている人たちのために、そして、何よりも大切なお客さんのために必死に働いているよれよれのブルゾン姿の頭髪の薄いおじさんのほうが

ずっとずっと

美しい

と思うから、僕もそんなモノホンのイケオジに負けないように

どうせならビューティホー!

を合言葉に

誰に何と言われようが、

このまま、おのれの信じる道を突っ走ってやるっきゃ騎士(ないと)なんだろう。

だって、ふと空を見上げたときに眩いばかりの太陽がまだちゃんと僕たちを照らし続けている

この美しい星

にかろうじて生まれることが僕は出来たのだから。

そう、もうみんな忘れてしまっているかもしれないけど、お天道様は今もずっとこんな僕たちを見守ってくれているんだよな。

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