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ぷりん!ぷりん!ぷりん!

プリンが好きだ。

プリン・ア・ラ・モード

なんて甘美な響きだろうか。

というか、今度、生まれ変わったら

プリンア・ラ・モード

という名前のフランス貴族に生まれ変わりたいと割と本気で思っている。

しかし、なぜ数多あるデザートやお菓子の中で、プリンがこんなにも僕を惹きつけてやまないのか

という哲学的考察をするのも一興かもしれないが、ここはあえてこの一言で済ませたい。

だって好きなもんは好きなんだもん!

好きに理由なんてないのは、まあ人でも食べ物でも同じなのかもしれない。

なんて、な!

今回は、そんな無類のプリン好きな僕のとっておき?のプリンエピソードをご紹介したいと思う。

エピソードⅠ 学校給食のほかほか岩石プリン

間違いなく僕と弟がプリンをスペシャルフードと認識したのは、この給食のプリンがきっかけだろう。

しかし、それは、あの台形円錐?なフォルムのトップオブマウンテンに黒いカラメルソースがかけられたあの僕らがイメージするプリンの姿とはまったく似ても似つかない代物だった。

大きな四角い銀色のバットに固められたそれを給食当番のガサツな男の子がダイナミックにそぎ取って岩石みたいなワイルドなカタチでお皿にどんどん盛っていく。当然、カラメルなんてオシャレなものはない。でも、その生まれたてホカホカの

ナチュラルボーンワイルドプリン

は、本当に口に含んだ瞬間、目がカッと見開き、口からは思わず、ウホッ!というプリミティブな雄叫びが漏れ出てしまうくらいの破壊力があった。

エピソードⅡ 富士山とプリン

いわゆる正統派のカスタードプリンを僕が初めて食べたのは、小三の夏休みに家族で行った静岡旅行の帰りに立ち寄った富士山の麓にあるドライブインだった。

例の台形円錐?なプリンには黒いカラメルソースがたっぷりかかっていて、その上には小さな生クリームとサクランボが乗っかっていた。

そのファンシーな佇まいを見た瞬間、僕の心の中の島田紳助が

素敵やん!

とつぶやいたのは言うまでもない。もちろん味も格別だったけど、今振り返ると、

富士山とプリンってなんだかとても似ているから、ラーメンやカレーやとんかつと同じように、プリンも

もはや日本食って言い切ってしまって良いと思う。

エピソードⅢ 港のかぼちゃプリン

最初の就職先が横浜郊外の工場だったので、週末はよく一人で横浜の港の方まで遊びに行っていた。その行った先の山下公園前のホテルのカフェで、僕は人生で初めてかぼちゃプリンなるものと出遭い、一瞬で恋に落ちてしまった。

四角いレンガみたいな見た目とかぼちゃの繊維質が残ったザラリとした食感は、まるで大人の女性のような色気すら覚えたほどだ。

だから、後年、僕は初めて付き合った年上の女性との初デートで、一緒にこのかぼちゃプリンを食べたのだ。い、いかん、そのときの彼女の優しい笑顔を思い出して思わずウルっときてしまった。

エピソードⅣ プリンとシュークリームと僕と彼女

当事、世間は、あのPastelを筆頭になめらかプリンなるものが台頭し、僕が好きな昔ながらのカスタードプリンがケーキ屋さんのショーケースから一掃された時期だった。

そんな中、横浜駅東口のそごうのデパ地下でにある芦屋が本店のケーキ屋さんで、偶然、僕は久しぶりにあの大好きな方の硬めなプリンとの再会を果たす。

しかし、彼(彼女?)はいつもと少し様子が異なっていた。そう、なんと彼は、シュークリームの中に入り込んでいたのだった。

これを見た僕はもちろん狂喜乱舞した。

だって、プリンとシュークリームというどっちも大好きな二人が夢の共演を果たしているのだから。そして、予想通り、めちゃくちゃ美味しかった。

その数年後、そのケーキ屋さんの本店に勤める女性と僕は知り合い、初対面で僕がその言いにくいお店の名前をスラスラと言えたのが功を奏したのか、やがて僕は彼女と結婚し1児を授かることになる。

そして、今、僕らはまさにプリンとシュークリームみたいな関係を目指しているところである。

…とまあ、この他にも自分が思っていた以上に、プリンにまつわるエピソードがどんどん頭の中によみがえっている最中だけど、さすがにこれ以上はみなさんも食傷されると思うから控えることにしよう。

そして、そんな僕には、新たなプリンエピソードを生み出したい、という夢がある。

それは地方に住んでいるプリン好きな、そして、僕にとってかけがえのない友人が上京した際に、僕のとっておきのプリンのお店をいくつか紹介して回るという夢である(写真のプリンのお店もその候補のひとつである)

実は先日、僕はその人に対して大変失礼なことをしてしまい、その人のことをとてもとても傷つけてしまったから、そのお詫びも兼ねて、今回は全部僕のおごりのつもりである。さいわい思いがけない臨時収入も入ったから、軍資金も潤沢だしね!

これが、いわゆる困ったときのプリン頼みというヤツ、なのかもしれない。

でも、そんな新たなプリンエピソードを勝手に妄想していたら、また今日も一日頑張れそうな気がしてきたぞ。

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