政府による積極財政がデフレ脱却の唯一の解である

経済産業省は2024年度の税制改正要望に中堅企業を対象とした税優遇の拡充を盛り込む。地域経済の底上げに役立つ事業の設備投資や前向きな賃上げで減税の拡大を目指す。地方に多い中堅規模の企業を後押しするほか、中小・零細企業の規模拡大への意欲を引き出す。設備投資の優遇は地域への貢献をもとに都道府県が承認する「地域経済牽(けん)引事業計画」に基づくものを対象とする。現在は一定の規模を超える投資について最...

日本経済新聞 8/24/2023

 日本政策投資銀行が調査した、中小製造業の設備投資額の増減率の推移が下記の図ー1で示されている。

出所:日本政策投資銀行「第128回中小製造業設備投資動向調査・要約版」

 足元では回復傾向にあるように見えるものの、ピークの06年を未だ超えていない。全体としては、デフレなのだから当然である。製造業の設備投資は、他の産業と比較すると規模が大きくなりがちで、大規模な工場や建物の場合は、数十年かけて減価償却を行う。

 民間企業が高額資産に投資する判断基準として、むこう数十年にかけての安定需要の見込みがなければ、設備投資の経営判断は不可能である。まして、デフレ経済が30年近くも慢性化している日本経済において、更新需要以外は基本的に需要は喚起されない。

 こうしたデフレ経済環境の中で、デフォルトリスクを気にせずにお金を使うことができるのは、通貨発行権をもつ中央政府だけなのだ。

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