リーマンショックは金融詐欺であった。

リーマン危機15年、金融に再び火種 高債務・高金利で
世界的な金融危機を招いた2008年9月の米金融大手リーマン・ブラザーズ破綻から15日で15年になる。新型コロナウイルス禍を含む度重なる危機対応で世界の債務は膨張を続け、金利上昇への耐性に不安を残す。巨大銀行の規制強化の裏側で規制の緩かった地銀やノンバンクにリスクが蓄積し、金融システムの安定を脅かす火種も随所にくすぶる。リーマン危機後、米連邦準備理事会(FRB)をはじめ各国中央銀行は経済を支える...

日本経済新聞 9/15/2023

 サブプライムローンとは、銀行融資における信用度が低いものを指す。プライムに対するサブであるから、当然ながら金利も高くなるため、債務不履行の確率は上昇するが、01年~06年は投機的に、担保となる土地や不動産が値上がりしていたため、融資残高はみるみる膨れ上がった。

 だが、実態を伴わずに投機的膨れ上がった資産価格が下落に転じた07年9月に連鎖し始めたサブプライムのデフォルトを発端として、リーマンショックという混乱を引き起こした。デフォルトした住宅ローン担保証券(MBS)を大量に保有していたリーマンブラザーズは破綻した一方で、当の金融商品を組成したシティやバンカメ、モルガン等は公的資金が投入されて破綻を免れている。

 結論から申し上げれば、リーマンショックによる世界的な金融騒動は、アメリカを震源地とした国家ぐるみの金融詐欺あるいは、極めて悪質な人災とだと断言する。サブプライム称することで、通常では銀行融資の審査が通らないものを、複数ローンを証券化し、転売による手数料ビジネスに仕立て上げることで、その融資を可能にした。また、証券化されたMBSに米国格付け会社がAAAのお墨付きを与えることで、その流通を促した。結果として、次元付き爆弾であったMBSを大量につかまされた金融機関は破綻することとなった。

 一方、これほどまで悪質な金融事件であったにも関わらず、日本国内ではその本質を理解しているメディアは極めて少ないように思う。なるほど、平成バブルの本質や総括すらできない連中に、期待するだけ無駄というものかもしれない。

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