ガラパゴス現象

『パナソニック、除菌消臭できるクローゼットを発売』

 ガラパゴス現象というビジネス用語が、日本のモバイル市場や電化製品を指して、十数年前に流行ったように記憶している。ガラパゴス諸島の閉鎖された地理空間から発生した生態系になぞらえて、世界標準から離れている日本製品を揶揄する意味を持つ。

 少なくとも、かつてお家芸であった日本の電機産業の凋落は、ガラパゴス現象というよりも、世の中に無い良いものを作ろうというインセンティブが欠落してた事が原因ではないかと思う。良いものを作るよりも、製品の画素数や容量、デザインといったマーナ―チェンジに留まることでコストダウンを図り、如何に売るかというマーケティング主義が、ここ数十年で横行していたのではないだろうかと想像する。

 当記事のパナソニックの事例にしてもそうだが、家電と家具の融合など、元々白物家電が得意な日本の技術であれば、とうの昔にできていたのではないだろうか。オーブン・電子レンジや炊飯ジャー、冷蔵庫は基本機能はいつまでたっても変わらない。ナノイーだとかマイナスイオン、毎年まことしやかなテーマをつけるだけで、売れ続ける構造に安住してきたから、技術革新が遅々として進まないのだろう。国際競争力なぞ失って当然である。

 短期主義に走り、本質を見誤るといつかは失敗する。それは、企業に関わらず、個人にもあてはまるはずである。

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