(雑談)醜い入部届


根本的に2枚の醜い入部届が全員の心の中に住み着いて人類は「もうだめ」になるらしい。
今までの人生で書いた合計4枚の入部届のうちの恥ずかしそうに出したほうの2枚だ。他の2枚は嫌々出した。
教師は(部長だったこともある)いずれの紙も特に何の感情も持たずに受け取った。入部は受理され、僕は特に何も思わずにひとつふたつの共同体に包括されていった。
そのうちの2枚は確かに気高い反抗と美しい孤独のための義憤と共に提出したのだ。だが、もう2枚はなんとも柔弱な心持ちで提出したこともまた歴然とした事実である。
このうちの後者が醜い入部届ということになるのは言うまでもないだろう。無惨な敗北の証。意志の、人間性の敗北である。卑怯者のための入部届である。
先週紙ペラが風に吹かれて飛んでいったのを見た。その紙は今ものすごいいきおいで僕たちの美しい心を壊しているらしい。僕たちのいじらしい家を、僕たちのいつくしい人生を、完膚なきまでに壊しきってしまうまで、止まることはないらしい。

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