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立志式

 息子は中学2年生。息子の通う中学校で立志式があるとのこと、案内が来た。どんな大人になるのか、それぞれが立志の誓いをみんなの前で発表するそうだ。中学2年生、人前でどんなふうにふるまうんだろう。   


立志式の案内を渡しながら、
「母ちゃん、べつに来んでもいいで。」
息子は、そんなことを言う。
「意地でも行ってやるから。」
と返しておいた。


 息子は家ではボソボソっと話し、よく聞き取れないことも多い。みんなの前で、きちんと発表できるのかしら、と私は少し心配していた。  
 こちらの心配はよそに、息子は大きな声でしっかりと聞き取りやすい声で発表していた。私が知らないだけで、彼なりに成長しているんだなあ、と思った。私の知っている息子は家での息子だけだ。きっと学校では、また違う顔を持っているんだろう。
 そして、改めて息子の声を聞いて驚いたことがひとつ。

もしかして声変わりしてた?

 家では気が付かなかったけれど、いつの間にか声が低くなっていたようだ。家では高い声で歌ったりするので、変声期まだなのかなと思っていた。ステージの上から聞こえる息子の声は、もう子どもの声ではなかった。少し大人になりかけた、少年の声だった。


 身長も体重も、もうとっくに私を追い越してしまった。何年か前まで抱っこしていたなんて嘘みたい。ハグをしようとしても、
「エアハグで。」
なんて言って、私のハグをかわす術も身につけたりして。子どもが離れていくのはさみしいけれど、成長を感じてうれしくもある。
 それでも、小さい頃の面影を見たくて、ついちょっかいを出してしまうんだなあ。私は好きな子にちょっかいを出す小学生とおんなじだ。

 息子はもうすぐ誕生日を迎え、14歳になる。子どもから大人へと変わっていく貴重な時期だ。これからどのように成長していくのか、楽しみだ。それなのに、息子のことについ口を出してしまったり、怒ってしまったり。私も子どもの成長を見守る母としての成長が必要だな、と改めて思った。気持ちに余裕のある母ちゃんになりたいな。

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