見出し画像

毎晩『良い母親とは?』と検索していたあの頃の私 #4

結婚生活が始まった頃、仕事がすごく忙しくなった。

帰宅は22時を過ぎることが多くなった。
帰ると「ご飯炊いておいたよー」と言って、私がおかずを作るのを待っている夫がいる。

休日は掃除や洗濯、買い物でほとんど潰れた。

ある金曜日、仕事から帰ってお風呂に入ろうと服を脱いだけど、お風呂まで辿り着けず裸のまま寝てしまい、気がつくと朝だった。

そんな私の様子は夫には見えていなかったのか、朝、朝食の準備をしていると「会社の人に、新婚なのに愛妻弁当ないの?って言われたー」と言う。

あぁーそうか。
夫は会社で新婚なのに、コンビニおにぎりを食べる可哀想な人だと思われていて、妻の私は弁当も作ってくれない女だと思われてるんだ。

一生懸命やっているつもりだったけど、まだ足りないんだ。
もっと頑張らなきゃいけないんだ。
きっとみんなもっと頑張ってる。

ふと下に見ると、溜まった食器、洗濯物、床の埃が目に入る。

私は結婚して初めて、実家のお風呂場の排水口の髪の毛は母が掃除してくれていたのだと気がついた。

心に暗い影が落ちたような気持ちになった。

子供の頃から家事は女性がするのが『当たり前』だと思っていた。
そして今、世の中は共働きが『当たり前』だと言う。何かがおかしいと思いながらも、漫然と受け入れている自分がいた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?