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幸せは数珠つながり。

久々に従姉妹たちと会った。
それぞれの推しの話になり、BTSやらアイドルやら、散々盛り上がったあと、皆の話をふんふんと聴いていた1人が、口を開いた。
「私は、ビリヤニ」

ビリヤニとは、インドの炊き込みご飯で、日本でいう赤飯のように、お祝いごとがあると各家庭で作られるものだ。
インド人が愛してやまない国民食だと、TVで特集されていたのを観たことがある。
彼女の推しは、そのビリヤニだという。

聞けば、料理教室をプロデュースしている、もうひとりの従姉が企画したビリヤニ教室に参加したことがきっかけらしい。
最初の30分、講師がいかにビリヤニが素晴らしいかについて語り、その愛と情熱に、彼女は感動のあまり号泣してしまったという。
そこからビリヤニにハマり、本格的に作り始めることになったらしい。

誰かが熱く語る言葉が、人の心を動かす。
そういった瞬間を幾度も見てきたし、そういった話を何人からも聞いてきたけれど、そのたび勝手に心震えてしまう。
素直な愛の伝導が、そこにはある。

彼女は、もうひとつの推しについても語ってくれた。
それは、コンガ。
コンガ?ときょとんとなったが、Wikipediaによれば、「樽型の胴の上面にヘッド(皮)が張ってある打楽器(膜鳴楽器)」らしい。

コンガ(Wikipediaより)

そもそも子供の頃からラテン系のダンスが好きだった彼女は、ヨガ友達を通じてキューバのダンスにハマり、その流れでキューバの楽器であるコンガにたどり着いた。
コンガについて生き生きと語る彼女を見て、言っている意味は半分くらいしか理解できなかったけれど、それがどれだけ魅力的なものかは十分すぎるほど伝わった。コンガについて、ちょっと知りたくなったほどだ。

そして、幸せは数珠つながりだなと思った。
気になることを辿って、何かに出会い、またそこを経由して、心動かされる何かに出会う。
昨日のnoteにも書いたけれど、最近の出会いは、写真家の幡野広志さんだ(実際に出会ったわけではない)。
幡野さんの本、そして写真術のセミナーに出会ったのは、ライターの古賀史健さんきっかけだった。古賀さんにも実際に出会ったわけではない。
古賀さんの著書「さみしい夜にはペンを持て」を読んだことがきっかけで、古賀さんの書くものにハマり、彼が紹介する幡野さんにたどり着いたわけだ。
では、古賀さんの「さみしい夜にはペンを持て」には、どうして出会ったのか。
これは、私が敬愛する会計士にして事業家兼大学講師の武田雄治さんのセミナーを受講したとき、激推しされたためだ。
武田先生を知ったのは……と、これまた数珠つながりで、興味が、私の好きが、どんどんつながっていくのを感じた出来事だった。

話はまったく関係ないかもしれないけれど。
私が人生ドラマの1本として推している『二十五、二十一』のなかに、こんなセリフがある。
親が事業失敗し、NASAで働く夢を諦めた主人公ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)が、稼ぐために必死で掴んだTV局の報道記者という仕事について語る場面だ。

「夢が叶わなかったからといって、人生に失敗したわけでなく、
夢が叶ったからといって、人生に成功したとは言い切れません。
僕は与えられた仕事をやり遂げたいだけです。
それが今の夢です」

推しを辿って、とか、興味を辿って、とかではないかもしれない。
だけど、与えられたものを夢中でやっていくうちに、それが夢に変わっていくこともある。

数珠つながりで出会っていくものも素敵だけど、
イジンのように、目の前のものを一生懸命こなしていくなかで、目の前のものが夢になっていくのも素敵だなと思う。
どちらの生き方も、どちらのやり方も、そこに愛や夢、情熱が生まれた瞬間、まぶしく輝いて、無性に心動かされるんだよなぁ。

そんなわけで、従妹の彼女が作ったビリヤニを食べにいく計画を立てている。


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