寝だめ食いだめ、ありがとう貯蓄
休日の醍醐味といったら、なんといっても“寝だめ”だ。
時間を気にせず、これでもか!というほど、睡眠をむさぼる。
が、悲しいかな。睡眠貯蓄はできないという。
いくら終末たっぷり眠ったとて、今週不足した睡眠を補うことはできず、翌週不足するだろう睡眠に回すこともできないそうだ。
寝だめと同様、食いだめもできないという。
たくさん寝て、たくさん食べたとて、時間が経てば眠くなるし、お腹もすく。体のシステムとは、そういうものらしい。
貯めることが有効なのは、お金やポイントだろうか。
貯めこむことに夢中で使うタイミングを逃してしまえば、お金もポイントも活きてこない。
食べ物に賞味期限があるように、貯めたものにも有効期限(効果や効力が発揮される期間)があるように思う。
「貯める」は、上手に「使う」とセットでないと意味がないし、
何に「使う」かで、「貯める」の効果を生かしも殺しもする。
では、貯めて然るべきものはなんだろう。
たとえば、「経験」。あるいは、「信頼」。
言われなくても毎日挨拶し続けた人、時間を守り続けた人、約束を守り続けた人、何かを続けてきた人は「信頼」貯蓄をしていることになる。
知り合いで、「ありがとう」貯蓄をしている人がいた。
夫婦間で、毎日「ありがとう」を言う。
一度にたくさんの「ありがとう」を言うのではなく、
毎日少しずつ「ありがとう」を貯めていく。
「ありがとう」が積立貯蓄となり、信頼の束が太くなるという。
サプライズのプレゼントより、毎日の「ありがとう」の積み重ねが、よほど長く効果を発するのだとか。
なるほどなと思う。
もちろん、貯めた「信頼」が一瞬で崩れ落ちることもある。
が、崩れたまま戻らないとしたら、その程度だったのだ、とも思う。
しっかりした「信頼貯蓄」があるなら、回復の可能性は大いにある。
そもそも「寝だめ」は、一度に貯めておこうとするから効果がないのだ。
「貯蓄」の効果は、少しずつ貯めることで初めて発揮される。
毎日少しずつ筋トレをすれば、筋肉貯蓄になると、トレーナーも言っていた。
そういえば、最近読んでいる臨床心理士・東畑開人さんの著書のなかで、こんな言葉があった。
「お金はドカンと一度にもらうより、定期的に同じ額をもらうほうが健康にいい」
お金に限らず、“一度にドカン”は、
幸せを感じる時間も長持ちしない気がする。
仕事も、忙しさがガツンとくるより、
毎日少しずつ忙しいくらいが、心は満たされている気がする。
なぜこんなことを書いているかといえば、noteが原因だ。
毎日noteを投稿するようになり、書くネタの問題が生じた。
たとえば、遊びの約束がある日や仕事がぎちぎちの日、思い切り遊んだり、仕事に集中するためにも、書き貯めておいた方が気が楽だろうなと思う。
それで、時間のあるときに、何本か書き貯めておこうかと思うのだけど、これがなかなかできないのだ。
何について書くのか、ネタ自体は思いついたときにメモしておくので、ストックがないわけではない。
だけど、「書く行為」にはその日の気分があるので、1日1本くらいがちょうどいい。
毎日採った魚で料理する、みたいな勢いで書いているためもある。
毎日一度、「ありがとう」を伝えているみたいなものか。
ちなみに、何度か書き貯めを試みたことがあるけれど、
時間が経つと、その気分でない気がして、お蔵入りにしてしまった。
今日「ありがとう」を2回言ったから、明日の「ありがとう」はなくてもいいよね、というわけにはいかないようだ。
そんなわけで、noteも、信頼と同様、コツコツ貯蓄なのかなと思う。
あ!
でも、1週間の食事の作り置きをしている世の母親たちには感動する。
作り置き、であって、作りだめ、と違うかもしれないけれど。
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