大切なことは、のび太にも教わった。
なにげない言葉が、刺さるときがある。
本当になんでもない言葉なのだけれど、誰かの言葉で世界が広がることがある。
たとえば、『ドラえもん』だ。
テレビを夢中になって観ているのび太に、ドラえもんはこう言う。
「女の子の番組だろ」
これに対して、のび太はこう返すのだ。
「女でも男でも、おもしろいものはおもしろい!」
思わず、拍手。
「それって、若い子たちがハマるものでしょ」
「それって、日本人でもわかるの?」
のび太がいたら、きっとこう返してくれる。
「おもしろいものは、おもしろい!」
のび太から、思いがけず学んだわけだ。
のび太に限らない。
子どものなにげない言葉から気づくこともあるし、
電車の中で聞いた老婦人たちの会話で気づくこともある。
その言葉は、とてもシンプルだ。
20年ほど前だろうか。
韓流エンタメナビゲーターの田代親世さんに初めてお会いしてインタビューしたとき、彼女が口にした言葉がいまだ忘れられない。
韓国のどんなところが魅力なのかという話の流れだったと思う。
親世さんは、それはもうキラキラした目をして、こう言った。
「韓国が好きというより、私が好きなものが韓国にあったの」
この言葉には、本当に衝撃を受けた。
衝撃というより、あぁなんて素敵!!という感じが近い。
韓国だから好き、日本だから好き、◯◯だから好き、ではなく、
私の好きなものが、韓国にあるかもしれないし、日本にもあるかもしれないし、遠くにも近くにもあるかもしれない。
どこにでも私の好きなものは見つかる可能性がある。
この考え方は、推しにも言える。
私は、自分の推しが好きというより、推しのなかに私の好きなものが、好きな要素があったのだ。
人生は、私の好きなものがある場所を、私の好きな考え方や感性、要素を持つ人を、私の好きなテイストを持つものを、探す旅なんだな。と。
そんな考え方が詰まったこの言葉が、とてもとても素敵だなと思い、以来、心のメモに刻まれている。
話は変わって。
現在、TBS系で放送中のドラマ『Eye Love You』に韓国人留学生役で主演しているチェ・ジョンヒョプが人気急騰中だ。そんな彼が雑誌のインタビューで語っていた言葉に、はっとさせられるものがあった。
共演者の二階堂ふみさんが、「言葉で感情を表現するのが苦手だ」と語っているのを受けての言葉だ。
これは、刺さった。
実際、表現が苦手な人を見ていると、「あぁ表現下手なんだな」と愛おしささえ感じる。
表現下手であることが、その人そのものであり、その下手さで伝わることもある。微妙な言い方かもしれないけれど、そういう表現方法もあるのだと、彼の言葉を読んで、気付かされた。
これまた、とてもシンプルな言葉だ。
シンプルで素敵な言葉、刺さる言葉は、そこここに転がっていて、
見たり、聞いたり、読んだりしているなかで、ふっと心に入ってくる。
ときに一生忘れられない言葉に、出会うこともある。
そのためにもいつも、素直で、フラットでいたいなぁ。
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