高等支援学校①

長女は卒業して5年経っていますので、現在とは異なる部分があるかもしれません。また、学校によって違うところもありますので、あくまでも参考としてお読みください。

 軽度知的の長女は高等支援学校を卒業しています。高等支援学校とは、軽度知的障害のある生徒が一般企業の障害者枠での就労を目指す高等部単独の支援学校です。一般の高卒資格は得られません。

 長女は地元中学の特別支援級から受験して合格し、進学しました。受験の条件は、軽度知的障害と診断されていることと公共交通機関での通学でした。

 当時は受験時に療育手帳は持ってなくてもいいが、就職活動で必要になるので、在学中に必ず取得してくださいと言われました。

 また、一般企業での就労を目指すため他の支援学校のように送迎バスはなく、車での送り迎えもしないようにと言われました。親や祖父母が、車で中学や高校に送迎するのは、この地方ではごく普通のことなのです。長女は電車とバスを乗り継いで片道1時間掛けて通いました。

 受験科目は筆記試験と面接でした。面接は中学の特別支援級で練習しました。長女と一緒に合格発表を見に行ったのは、いい思い出です。

 高等支援学校では、国語や数学など一般的な科目を勉強する日と作業学習の日に別れていました。
 
1年次では清掃、食品加工、介護、木工、流通・サービス※の作業学習を一通り勉強しました。すべての作業学習を経験して、自分に何が合っているか、何をやりたいかをはっきりさせるためです。※作業学習の内容については、別の記事で紹介します。

 将来就職した時に、正社員として働くと長時間勤務になるのを見据えて、丸1日の学習にしていると先生から説明されました。作業は1日立ちっぱなしで行われていました。2年次からは自分の選んだ作業学習になります。

 就業体験も1年次はいろいろな業種の会社で行い、2年次からは作業学習をしている内容に合った会社で行われました。長女の場合、介護なのでデイサービス、特別養護老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅といろんな会社のいろんな施設へ行きました。

 3年次には、長女の就職先になる会社の就業体験に行きました。その時も適性を見るため、デイサービスとサービス付き高齢者住宅の両方で行われました。就職先のグループホームはまだ建設途中だったため体験できませんでしたが、グループホームは1日の流れがデイサービスと比べるとゆっくりなので、長女に合うのではと会社で判断され、配属になりました。

 学校としては、軽度知的障害者の転職は難しいため、一度就職したら定年まで同じ会社で働いてほしいから、なるべく大企業に就職させたいと言われていました。

 長女の就職先は中小企業ですが、当時は介護系の会社は就業体験は受け入れるけど、雇うのは無理と言われる会社ばかりで、大手にも就業体験に行きましたが、就職には繋がりませんでした。

 ただ、大企業に就職といっても正社員での採用とは限らないので、何を重視するかは就職する本人と親の判断になります。

 高等支援学校を卒業しても、正社員で採用されるのはごく一部です。障害者雇用で企業が採りたがるのは知的障害のない身体障害者だと、高等支援学校の先生が話されていました。

 就業体験での頑張りが認められ、長女は会社初の障害者枠での正社員に選ばれました。同僚に恵まれ、卒業して5年働き続けることが出来ています。就職先を開拓していただいた高等支援学校の先生方にはとても感謝しています。

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