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ロンドン・セッションと言えばこの2枚でしょ。

ブリティッシュ・インベイジョンと言って、本国アメリカを尻目に、イギリスにおいては、ビートルズが出てきた1963年ぐらいに、マージー・ビートを筆頭に、 ブルースも、同じようにもてはやされた時期をこう呼んだと記憶している。
つまりは、『イギリスによる侵略』 と言うような意味で未だに語られることが多い。おそらく、一番初めに出てきたのは、アレクシス・コーナー辺りではないだろうか?
同時に、ジョン・メイヨール&ブルース・ブレイカーズ、ヤードバーズ、サヴォイ・ブラウン、フリートウッド・マックなど、ブルースを基調にした音楽がどんどん出て来た。
70年代に入ってからも、ブルース発祥の地、アメリカからも黒人ブルースマンたちが、イギリスに渡り、 色々とセッションしたり、イギリス流のブルースが大流行した。
その最たるものが、"The London Howlin' Wolf Sessions" と、"The London Muddy Waters Sessions"の2枚に集約されていると言っても過言ではないだろう。

このどちらも、イギリスのブルース好きのミュージシャンばかりが集まって、ハウリン・ウルフ、マディ・ウォーターズ御大二人に、教えを乞うようなアルバム構成になっている。
まぁ、皮肉にも、リリースされたのは、アーバン・ブルースの聖地、シカゴのCHESSレーベルではあるが。。。
これは、ライナーノーツに、チェス・レーベルの社長、マーシャル・チェスとシカゴ大学のノーマン・ダイロンの話から出てきたものらしい。前者は、1971年にリリースされたものであるが、僕が写真を貼ってあるのは、1997年にリイシューされ、ボーナス・トラックも3曲含めたCDジャケットであって、イラストもLPの方が趣きがあっていいと思う。
パースネルとしては、おなじみエリック・クラプトン、スティーヴ・ウインウッド、ビル・ワイマン、チャーリー・ワッツと、当代の人気者ばかりである。あとは、ヒューバート・サムリン、クラウス・ブアマン、珍しいところではフィル・アップチャーチがベースで参加していたりする。(※Rockin' Daddy) あと、ドラムスが、"Richie"となってはいるが、これは、リンゴ・スターが匿名参加と言うことだろう。
このアルバムでよく語られるのは、"Little Red Rooster" で、クラプトンが弾き方をハウリンから伝授してもらうトラックがあるが、実際その通りに弾いたかどうかは、はっきりしない。
この中から、僕が結構元気が出る"Built Comfort"をYoutubeから引っ張ってみる。

後者の方は、1972年にロンドンで録音されたものをCDとしてリイシューされたもので、ミキシングはニューヨークで、かのジミヘンのエレクトリック・レディ・スタジオにおいてなされたものである。
パースネルは、無論、マディ御大に加え、ロリー・ギャラガー、サム・ローホーン、リック・グレッチ、これまたスティーヴ・ウインウッド、目立ったところでは、ジミヘンのバックを務めたミッチ・ミッチェルがドラムスを。特筆すべきは、かのぶっ叩きハープのキャリー・ベルも参加している。
出てくる音は、当然のことながらマディ節なんだけれど、上のようなメンバー構成で聴いてみると、イナたいというより、ある程度ソフィスケーティツドされた音に聴こえる。
この中から、ロリー・ギャラガーがスライドを弾いている"Walking Blues"を。。。

とかく、ロンドン・セッションと言えば、上の2枚のアルバムが、カップリングされて有名ではあるけれど、1969年に遡ると、同じくCHESSレーベルから、"Fathers And Sons" と言うこれまた玄人好みの音源が存在する。

この音源も、シカゴ大学のノーマン・ダイロンのプロデュースによるもので、裏ジャケをご覧いただくと、何やらポール・バター・フィールド・ブルースバンド、もしくは、エレクトリック・フラッグが御大マディのバックを務めているような感も否めない。
ドナルド・ダック・ダンがベースで参加しているのも嬉しい。
ポールが入ってるせいか、ロンドン・セッションよりはイナたい感じがする。
マイク・ブルームフィールドファンの僕としては、御大のゆっくり切り裂くようなスライド・ギターに食傷気味になって、そうそうヘビロテで聴くアルバムではないけれど、
マイクが寄り添うようにして、フィルインしている御大オリジナの"Blow Wind Blow"
あげておこう。

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