箱根駅伝予選会振り返り+今後に向けての期待

5km
シャドラック① 14:17
西村④ 14:33
下尾④ 15:12
久保④ 15:13
大仲② 15:13
鈴木② 15:13
冨田② 15:13
本間② 15:13
土井④ 15:14
安藤③ 15:14
大橋③ 15:14
中澤② 15:14

シャドラック選手は積極的にハイペースの留学生集団に食らいつきます。この時点では15人程の集団でしたが、東京国際のエティーリ選手や武蔵野学院のカマウ選手ら力のある選手の仕掛け所が気になる展開でした。もう1人、フリーでレースを進めたのは西村選手。6月の全日本予選は復帰明けで苦しい走りだったので、まずはここに付けていたのが一安心でした。西村選手から遅れること約40秒、3番手〜12番手の選手が一団となって5km地点を通過。絶好のコンディションで、高速レースが予想された今大会。個人的には、全日本予選で後半組を走った下尾、安藤、大仲選手辺りにはかなり遅いペースのような気がしたので、この先が少し不安になる通過ではありました。

10km
シャドラック① 28:27 (14:10 ↑0:07)
西村④ 29:21 (14:48 ↓0:15)
下尾④ 30:32 (15:20 ↓0:08)
久保④ 30:32 (15:19 ↓0:06)
大仲② 30:32 (15:19 ↓0:06)
鈴木② 30:32 (15:19 ↓0:06)
本間② 30:32 (15:19 ↓0:06)
土井④ 30:33 (15:19 ↓0:05)
安藤③ 30:33 (15:19 ↓0:05)
大橋③ 30:33 (15:19 ↓0:05)
冨田② 30:33 (15:20 ↓0:07)
中澤② 30:33 (15:19 ↓0:05)
(5kmラップ右の矢印&数字は、前地点5kmラップから見たタイムの上昇or下降)

10km手前で集団を引っ張り始めたシャドラック選手は先頭で10kmを通過。個人1位候補筆頭だった東京国際のエティーリ選手にまさかの転倒がありましたが、集団の人数を一気に3名に絞る快調な走りを見せます。次に続く西村選手はペースが落ちているものの、これは集団全体のペースが落ちたためで、しっかり日本人2位集団に食らいついていました。そして、気になる集団走は30:32〜30:33で10名が通過。誰1人遅れていないのはプラス材料も、この時点で総合18位。更に、日大の集団走の少し前に集団を作っている日体大が20位、東海大が23位と下位にいたため、素人の私目線では「そろそろペースを上げていかないとマズいのでは?」と不安に思う通過タイム・順位でした。


15km
シャドラック① 42:41 (14:14 ↓0:04)
西村④ 44:35 (15:14 ↓0:26)
大仲② 45:53 (15:21 ↓0:02)
鈴木② 45:53 (15:21 ↓0:02)
下尾④ 45:54 (15:22 ↓0:02)
久保④ 45:54 (15:22 ↓0:03)
土井④ 45:54 (15:21 ↓0:02)
安藤③ 45:54 (15:21 ↓0:02)
大橋③ 45:54 (15:21 ↓0:02)
冨田② 45:54 (15:21 ↓0:01)
中澤② 45:54 (15:21 ↓0:02)
本間② 45:54 (15:22 ↓0:03)

シャドラック選手はペースを落とさず先頭で15kmを通過。後ろにつく選手も山梨学院のムトゥク選手のみで、チームに大きな貯金をもたらす走りとなっています。一方、日本人2位集団に食らいついていた西村選手はここで苦しくなり、集団からは後退。ただ、昨年に比べるとまだ余裕はありそうだったので、ここからのもう一踏ん張りに期待でした。注目の集団走はまだ10名が一塊。ペースを上げたではないので、総合順位は10km地点から一つ上げたのみの17位に止まるも、10名通過は11番手となり、13位との総合タイム差は僅か33秒差になります。集団走が全く崩れていないことを考えると、10km地点の不安が一気に期待へと変わった15km地点の通過となりました。


20km
シャドラック① 57:09 (14:28 ↓0:14)
西村④ 60:00 (15:25 ↓0:11)
鈴木② 60:44 (14:51 ↑0:30)
下尾④ 60:50 (14:56 ↑0:26)
冨田② 60:53 (14:59 ↑0:22)
大橋③ 60:54 (15:00 ↑0:21)
久保④ 60:56 (15:02 ↑0:20)
土井④ 61:01 (15:07 ↑0:14)
大仲② 61:01 (15:08 ↑0:13)
本間② 61:03 (15:09 ↑0:12)
安藤③ 61:16 (15:22 ↓0:01)
中澤② 61:25 (15:31 ↓0:10)

17.4km地点で総合12位、10人通過は6番目となり、通過の可能性が一気に高まってきた終盤戦。20km地点のタイムを見ると、順位が上昇した理由がよくわかりますね。相変わらず快調な走りを見せるシャドラック選手はここで単独トップとなり、60分台前半を目指してフィニッシュへと突き進みます。公園内でも5km14:30を切ってくるのは只々強いの一言です。2番手の西村選手も大きくペースを落とさず、60分ジャストで20kmを通過。昨年以上に耐える走りができています。そして、一気にペースを上げた集団走組が続々と20kmを通過。3番手となった鈴木選手は5kmのラップを30秒上げる凄まじい追い込み。下尾、冨田、大橋、久保選手もそれぞれ5kmのラップを20秒以上上げています。起伏の激しい公園内でこれができたのが今年のチームの強さ。通過の期待を抱き、選手達はいよいよフィニッシュへ飛び込みます。

フィニッシュ
1位 シャドラック① 60:16 (3:07)
56位 西村④ 63:18 (3:18)
99位 鈴木② 63:54 (3:10)
118位 久保④ 64:04 (3:08)
119位 下尾④ 64:04 (3:14)
124位 冨田② 64:07 (3:14)
136位 大橋③ 64:12 (3:18)
143位 土井④ 64:16 (3:15)
145位 本間② 64:19 (3:16)
153位 大仲② 64:24 (3:23)
172位 安藤③ 64:34 (3:18)
204位 中澤② 64:48 (3:23)

シャドラック選手は最後まで安定した走りを見せ、60:16の素晴らしいタイムで全体1着フィニッシュ。最後は日本薬科大のキプルト選手がものすごい勢いで迫ってきましたが、抜かせなかった意地も流石でした。約3分空いて2番手の西村選手がフィニッシュ。後半苦しくはなりましたが、他大学の集団走組には殆ど飲み込まれず、フリーの役割を果たす走りを見せてくれました。3番手は15kmからの追い込みが凄まじかった鈴木選手。スタート位置も前の方だったので、期待は大きかったですが、春から大きく成長した姿を見せてくれました。また、4番手に入った久保選手のラストのキレもお見事。6番手に入った冨田選手と共に、苦しんだ関東インカレハーフからの大きな成長が見られました。集団走を引っ張った下尾選手、箱根予選に毎年合わせてくる土井選手も過去2年より成績を上げる走りを見せました。そして、7番手に入った大橋選手は個人的には1番のサプライズ。3年生は安藤選手が1人抜けている状況だったので、大橋選手の好走は今後に向けて非常に大きなものだったと思います。学生ハーフ以来だった本間選手もハーフでの安定感は本物ですね。一方で、10〜12番手だった大仲、安藤、中澤選手はベストの走りではなかったと思いますが、その中でも最低限纏める走りは見せてくれたと思います。


総合5位 日本大学 10:36:54

見事な予選突破でした。通過できる予感はしていましたが、まさかここまで高順位で通過するとは…。新監督はじめスタッフの指導力・戦術が素晴らしかったのは勿論、それに応えた選手達の努力も素晴らしかったということだと思います。そして、予選会を突破した先には、いよいよお正月の箱根駅伝本戦が待っています。そこで1つ大きな目標になってくるのは10年ぶりのシード権になると思いますが、その為には1区が一番の鍵になりそうでしょうか。2区が濃厚なシャドラック選手はシード校のエースと比較しても力は抜きん出ている気がしますし、選手が前に捉えられる状況であれば、一気の上位進出も考えられます。その1区を含め、どの区間に誰が起用されるのか、現時点では見えない部分が多いですが、それだけに多くの選手に箱根駅伝出場のチャンスがあると思います。新監督就任後、半年間で大変身を遂げたチームが箱根駅伝までの残り2ヶ月超の時間で更にどんな成長を見せるのか、復活したピンクの襷が箱根路で輝きを見せる瞬間を楽しみに待ちたいと思います。

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