綾辻行人「十角館の殺人」を読んで

この度は、「十角館の殺人」を拝読いたしました。
拝読させていただいた理由は、「Another」から綾辻先生のことを知ったのがきっかけです。
私は、「館」を舞台にしたサスペンス・ホラーが大好きで、綾辻先生が「館シリーズ」の本格ミステリを書いていると知り、その第一作である「十角館の殺人」を読みたいと思いました。 
「十角館の殺人」を読み終えて、本格ミステリのすごさを体験することができました。犯人ヴァン(守須 恭一)の回想シーンを電車で読んでいる時、鳥肌がすごく、また微笑を浮かべるなどをして周りの人から視線を一斉に一瞥させられたことを覚えています。真犯人ヴァンの今回の犯行はただの「やつあたり」だと思いました。恋人を大事に思っているのなら彼女のそばにいて守ってあげればいいのにと正直思いました。「いってらっしゃい」と彼氏が言い、「行ってきます」と彼女がいい、家を出る。そこで、彼女を守ってあげられてなくなってしまう。
彼女が外で何か事件に巻き込まれたり、彼女に危機が迫っている状態になってしまっても直ぐに助けに行くことは難しいと思います。
だったら彼女のそばに寄り添い彼女を守ってあげることが一番いいと思います。
3次会の時もヴァンが参加していた世界線なら伊織は生きていたのではないかと思います。旨、自身の無力さを人にあたって八つ当たりしているように思いました。復讐すること自体は否定はしません。してもいいと思う。
今回「十角館の殺人」を読み終わり、得た教訓は守りたいものができたときはずっとそばにいることだとヴァンを通じて心の中で痛感しました。
 

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