<パワハラ防止法>~事業主が取組むべき措置~指針に定められた【10項目】具体的な取組例「その2」

④相談に対する適切な対応

【取組例】

・相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門と連携を図ることができる仕組みとすること。
・相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点を記載したマニュアルに基づき対応すること。
・相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての研修を行う。

<ポイント>

・放置すれば就業環境が害するおそれがある相談や、労働者同士のコミュニケーションの希薄化などの職場環境の問題が原因や背景となったパワーハラスメントが生じるおそれがある場合の相談も、幅広く対応することが必要です。
・一見、特定の労働者に対する言動に見えても、周囲の労働者に対しても威圧するために見せしめとして行われていると客観的に認められるような場合は、周囲の労働者に対するパワーハラスメントと評価できる場合もあることに留意しましょう。

⑤事実関係の迅速かつ適切な対応

【取組例】

・相談窓口の担当者、人事部門または、専門の委員会等が、相談者及び行為者の双方から事実関係を確認すること。その際に、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮する。また、相談者と行為者の間での事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分できないと認められる場合には、第三者からも事実関係を長所するなどの措置を講ずること。
・事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合などにおいて、労働施策総合推進法第32条の6、男女雇用機会均等法第18条または、育児・介護休業法第52条の5に基づく調停の申請を行うこと、その他の中立的な第三者機関に紛争処理を委ねることも考えられること。

<ポイント>

・事案が生じてから、誰がどのように対応するのか検討するのでは対応を遅らせることになります。迅速かつ適切に対応するために、相談窓口と個別事案に対応する担当部署との連携や対応の手順などをあらかじめ明確に定めておきましょう。
・事実確認は、被害の継続、拡大を防ぐため、相談があったら迅速に開始しましょう。
・当事者の言い分、希望などを十分に聞きましょう。
・ハラスメントがあったのか、該当するのか否かの認定に時間を割くのではなく、問題となっている言動が直ちに中止され、良好な就業環境を回復することが優先される必要があること。

⑥被害者に対する適切な配慮の措置と実施

【取組例】

・事案の内容や状況に応じて、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、引き離すための配置転換、行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、被害者のメンタルヘルス不調への相談対応などの措置を講ずる。
・法に基づく調停、その他の中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。

<ポイント>

・被害者に対する適正な配慮の措置には、取組例のほかに、職場におけるハラスメントにより休業を余儀なくされた場合であり、労働者が希望するときは、本人の状態に応じ、原職または原職相当職への復帰ができるよう積極的な支援を行うことも含まれます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?