メガテンシリーズについて(3)

今日は真3の話をしようと思います。
真3、真2がロウの勢力が勝利後の物語だったから、真3はカオスの世界だったりするのかなと、発売前は思っとりました。
全然違うゲームだったわけですけど。

真・女神転生Ⅲ
ゲームとしては完成度メチャメチャ高いです。
最高傑作かもしれない。コマンド選択型RPGとしては。
確か、後のシリーズにも引き継がれるブレスターンバトルという戦闘方式も、この作品から生まれたんですよね。

1)難易度
難易度かなり高いです。
ボス戦はまず一回負けるの前提で挑むのがデフォですな。
特に終盤。
で、何故自分が負けたのかを分析し、敵の行動パターンを把握。
それを完封するにはどうすればいいかを思案し、それに合わせた仲魔を作る。
ここらへんがメッチャ楽しい。
例えば……
特殊技を使い、こちらのHPを1ケタまで減らした後、直接攻撃を仕掛けて攻撃してくるボス。
普通に行くと、回復が間に合わなければどうしようもない状態なんですが……
ここで「別に回復しなくても良いじゃん。特殊技来た後、テトラカーン使えば」と閃くと、一転強ボスが雑魚になる。この瞬間の快楽がたまらんのです。

2)育成
本作から仲魔が成長するようになりました。
前作までは「スクカジャを高位悪魔が持っていないから」という理由で、YHVH戦で場違いにレベルが低い仲魔を無理矢理同行させるパターンがたまに見受けられたのですが、本作からそれは過去の話に。
……とはいえ、合体させて強化した方が手っ取り早いので、あまりそこの恩恵を受ける事例はそうそう無いのですが。

3)ストーリー
東京受胎に巻き込まれた5人の人間が織りなす、世界を創る思想の物語なのですが今回は。(ロウ、カオス、ニュートラルじゃないのね)
エンディングは5つ

①先生エンド
②悪魔エンド
③ヨスガエンド
④シジマエンド
⑤ムスビエンド

……私が見たエンディングは①②③ですね。④⑤は見なかった。
①②は本作の思想から外れた特殊エンドで、③④⑤が本作の思想に沿ったエンディングですな。本作を本当に味わうなら③④⑤をクリアしないといけないんですが。私は③しかクリアしてません。理由は以下に書きます。

①先生エンド
世界を創り直す秘法「東京受胎」を無かったことにしよう、というエンディング。
先生とは、主人公の担任の高尾先生のことなんですが。
この人、東京受胎を起こすことに手を貸した人でもあるんですね。
その理由は「今の世界が嫌だったから」

まあ、手を貸したときはそんな自分の本心に気づかず、こうすべきなんだ、という理解しがたい使命感に突き動かされていたのですが……。

でもね、そんな理由で世界を壊してはいけないんですよ。
世界を壊すのは、そこに生きて幸せを感じている人を壊す行為だからね。
私が嫌だから、なんて理由にならない。
だったらお前が消えればいい、って話だもの。
それをちゃんとした理想をもって世界を壊した男・氷川に指摘される。
なので「私の間違いを無かったことにして欲しい」と、先生に頼まれ、主人公が新しい世界を「前と同じ世界に」と望むことで無かったことにする。
まぁ、無難なエンディングですね。真3がアニメになったとしたら、このエンドになるんじゃないですか?

②悪魔エンド
これは壮大なエンディングです。
真3の世界では「世界とは何回も滅び、その度に創り直され再び生まれるもの」なんです。
それを主人公が否定するという。
世界が滅ぶたびに無数の人々が破滅する。それを繰り返すのが運命なら、もう二度と世界が生まれないようにしよう。そしてそんな残酷な運命を定めた存在に戦争を仕掛ける。そういうエンディング。
……真3がアニメになることがあったとしても、絶対にこれはエンディングには選ばれない。メガテニストしか喜ばんから。

……で、③④⑤の話に行く前に
・コトワリ
これを説明します。
コトワリとは、新しい世界のコンセプトですな。
「次の世界はこういう世界にしたい」を一言で言い表す概念といえばいいのか。
だから③④⑤はコトワリエンドと呼ばれます。

③ヨスガエンド
私が唯一見たコトワリエンド。
発案者は主人公の幼馴染の女の子・橘千晶
その概念は「弱者を救わない世界」
何故そう思うに至ったのかは
「前の世界は要らないものが多過ぎてダメになった」
それが千晶の感想だったから。
そんなコトワリを持つに至った彼女は、受胎後の世界を彷徨って、女であるが故に散々な目に遭い、自分も弱者であると思い知らされる。
けれども、そのコトワリが大悪魔に共感されて、彼女はその悪魔の力を継承し、魔人になるんです。
そして、普通のコトワリエンドは発案者と戦わないんですけど、このルートだけは戦うの。
何故なら、強者のコトワリだから。

そして生まれた世界は「幸せを得るには資格が居る」世界。
文明社会ではあるのだけど、そこに住むには試験を受ける必要がある。
おそらくそんな世界。
……その試験に落ちたら?
ん? そりゃ当然のたれ死に。

……結構エグイ世界ですけど、これでも3つのコトワリでは一番マシなんですよ。ようはエグい資本主義自由競争社会だから。まだ人間の社会というか。④⑤に関してはエンディング見る気がどうしても起きなかったな。

④シジマエンド
発案者はガイア教徒の男・氷川
その概念は「狂わない世界」
氷川曰く「人間は世界の灯であればいい」
平たく言うと「人間は世界を観測する住人以上の役割を持つべきではない」
こういうことなんですね。多分。

悲しいことがあったからと次の日まで落ち込んだり。
嬉しいことがあったからとパーティをしたり。
許せないことがあったからと、怒りを持ったり。
大好きなもののために酷く頑張ったり。

そういうのを否定している。
私が思うに

親の葬式は書類上の処理で省略し。
合格パーティなんてありえなくて。
恋人が犯されても犯人を殺すほど激怒せず。
多額のボーナスを提示されても特には頑張らない。普通に頑張る。

こういう世界なのよね。おそらく。
クリアした人曰く「氷川は情熱を否定しているわけではない」そうなんで。
否定しているのはおそらく「狂うこと」
それはさ、おそらく人間としてはレベルが高いと思うんですけど。
ようは「高位の聖職者というか、仏教の高僧」の考え方だと思うので。
でも、それを世界の構成概念にしてしまうのはどうなんだ?
だからどうしてもエンディングを見る気が起きなかったのです。

⑤ムスビエンド
発案者は新田勇
その概念は「繋がらない世界」
仲間の概念が無い世界ですね。
知り合いは居ても良い。でも仲間は不要。
皆、誰とも繋がらず、自分一人で全て完結させて生きる。

彼がこう思うに至ったのは「他人に頼っても無駄だ」と思うに至ったため。
受胎後の世界の厳しい環境で、そう思うに至ったんですけど。

はっきり言って、通常の人間社会を完全に否定してるコトワリですわ。
こんなコトワリでは考えられる普通の社会を維持できるわけないです。
特に致命的なのはこのコトワリでは家族の概念も否定されるべきだと思うので、両親やら兄弟の概念も無いということになります。
……それ、絶対に人間の社会じゃないよねぇ。

私の中では最悪のコトワリがこの「ムスビ」です。
だからエンディング見る気がしなかった。

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