メガテンシリーズについて(2)

今日は真2の話をします。

真・女神転生Ⅱ
真1の完全な続編です。
話はおそらく前作で法の勢力が勝利した後に築かれた世界が舞台になっている。
その場所の名は「TOKYOミレニアム」
メシア教を国教とする管理社会です。

そこはロウが勝利し、ロウの楽園になっていたのか?

前作をやった人なら気になるところでしょうが、答えはNO。
貧富の差が厳然としてあり、下級層の人間は、成り上がりを夢見て殺し合いの舞台に立ったり、洗脳されて笑顔で労働奴隷をやるような存在にさせられている。
そして上流階級の腐敗。支配層の腐敗。
立派なディストピアです。
主人公はそんな社会で、成り上がりを夢見てコロシアムで殺し合いを演じることを仕事としている青年ホーク。
彼は自分のことをただの悪魔使いの戦士だと思っていたんですけど、色々あって、実は救世主であったことを知るのです。

色々と語りたいところはあるのですけど、そういうところは他の人が散々語っているので割愛。

エンディングの話をします。

さて、本作もマルチエンディング。

ロウ、カオス、ニュートラルと3種類あるんですけど。
私が特に語りたいのはロウのエンディングですかね。
他の2つは前作のそれぞれの属性のエンディングをスケールアップしただけのような気がするので。あまり語るところが無いと言いますか。

ロウのエンディング
ロウのエンディングは、かつての仲間ザインの真の姿であり、使命を果たすための姿である「大天使サタン」を仲魔に入れることにより突き進む話なんですけど。
サタンは地球のイレースを計画し、実行します。
イレースとは?
それは、超巨大ビーム砲「メギド・アーク」により、真の法の社会に相応しくない者を皆殺しにすることで。
真の法の社会に相応しい人間だけを箱舟に乗せ、それ以外の地球に残った全生物を一度メギド・アークで抹殺浄化する。
それは神の意思であり、絶対の善。

なんですけど。
凄まじい数の生命を消したことは許されることでは無い。
それにそもそも。
人間をそういう存在に作ってしまったのは神であるから、神が責任を追及されないのはオカシイ。
で、神に責任を取らせようとする。
そこでラストバトルが開始される。

そして戦いの末、唯一神に製造物者責任を取らせた後。
この社会に生き残った者をじっくりと見ることができるんですが。
その中にね、老人も含まれているんですわ。

……つまりだわ。
本当に「ロウの基準で」千年王国に住むに相応しい人格を持つ人格エリートばかりを集めたんだろうなと予想できるわけ。

前作のロウの世界は、ただの狂信者のファシズムの極みみたいな社会でしたけどさ。
メシアにあらざるものは人にあらず、みたいな。

これは誰が見ても歪でとんでもない社会だ、って言いたくなると思うんですけど。
……果たしてザイン、つまり大天使サタンが作ったロウの社会はどうだろう?

ちょっと考えちゃいませんか?

果たして、例えば正反対な君と僕のメイン登場人物みたいな、善人ばかりを抽出し、救い上げて作り上げる社会って、果たして許されないことなのか?
邪悪な人間を、決定的では無いからと、その存在を認め続ける社会の方がよっぽど邪悪じゃないの?
そういうことの是非をさ、ちょっと考えてしまうエンディングなんですよね。
だから、かなり好きなのですわ。
真2のロウENDは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?