メガテンシリーズについて(5)

真・女神転生Ⅳ
プレイした感想としては、真1のテーマを掘り下げた感じですな。
開幕では、異世界もののメガテンに見えるので、そこで失望してプレイをやめてしまった人が結構いたそうなんですが。
私は「どうせこれは異世界ではなく超未来だ」と読んでいたので、そんなことは全然なかったんですが。

真4で描かれているのは、真1&2と同じくロウ、ニュートラル、カオスの思想の対立ですね。
ロウヒーロー、カオスヒーローに相当するキャラもいます。
ヨナタン、ワルターという。
そしてヒロインも居るのですけど、そっちはニュートラルルートのみ。
(イザボー)
ニュートラルルートに行かないと、彼女と最後は殺し合い。
こっちからトドメは刺さないんですけど、彼女の方が自決してしまう。
(選択肢によっては自分の手でやってしまうルートもあるのかな?)
……彼女は博愛精神に富んでいて、芯の強い女性だから、道を違えた主人公・フリンに絶望して自決する展開はかなり心に来ました。

ゲームとしては難易度はほどほど。
死にながら対策考えて進んでいく。これをナチュラルにやれて面白い。
ちょうどいい塩梅です。

シナリオ
前述しましたけど。
このゲームは真1のテーマの掘り下げですな。
真1と2はロウとカオスの本質を描いてはいないんですよね。
悪い形だけ描いてる感じで。特にロウ。
真1と2をプレイして、ロウをクズの思想と思わない人はまずいないでしょう。
でもさ、この真4は違うんですよ。

ロウとは「過去からの実績の裏打ちで、今以上に不幸せにならないで済むであろう安牌の思想」
カオスとは「今より良い状況を求めて、旧体制を打ち壊す革新の思想」

そして……

ロウは「思考をサボった怠惰な思想で、全体主義」
カオスは「変革を求めるばかりで、代案を持たない無責任な思想」

良いところと悪いところをちゃんと指摘してるんですよね。
で、そこで対立させる。
こういう感じで、思想面の描き方は真1を超えてると思いますね。

そして

この作品の舞台「東のミカド国」は、事実上日本の超未来なので、そこらへんの文化ネタがね。面白いんですよね。
例えば、物語の序盤に「黒いサムライ」という謎の人物が、労働者層のカジュアリティーズに本を配って、貴族階級への反感を煽ろうとする場面があるんですけど。
その本っていうのが「太宰治の人間失格」だったり「ベルサイユのばら」だったりするんですよね。
で、ヒロインのイザボーが漫画にドハマり。
そしてイザボーはベルサイユのばらは架空の国フランスの物語、つまりファンタジー漫画だと思ってるのがね。面白いんですよ。

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