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中国ではどうやっても良いものは出来ない

昨日の記事で、わたしが上海に訪問した理由は、中国人のものづくりの基本的な考え方を直す為であった。工場現場の作業員とか、工作機械のオペレーターとか、ただ単にボルトを入れる組立作業員とか、日本の感覚で見ていても根本的にダメなのだ。それを改める指導が目的。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。by 山本五十六
この考え方をひとつひとつ教えてみなければちゃんとしない。まるで大人の幼稚園児なのだった。

毎年の春節、一月末ごろ従業員は帰省するのだが、お休みが終わった頃、多くの従業員は出社して来ない。故郷に帰ってまた上海に戻る気をなくすのか、いつも春節明けは新しく人を雇わなければいけない。生産工場としてやっていけない。

わたしが行った時の現場リーダーも、翌年訪問した時彼は居ない。劉さんは?と聞けば、他不在了。って言うのだ。この国は、没有了、と不在了だけで会話が成り立つ。
それで、またいちから現場作業の指導リーダーを育てなければいけない。毎年毎年同じことをしなければならない。
だいたい上海にある日系企業なんて適当にやって給料もらってぼーっとしてたら困らないし、嫌だったら辞めたらいいし、だから根本的に愛社精神なんて一ミリも無い。

だからその意識は製品にも現れる。ボルト3個のところ2個だったり、エア工具の空気圧が弱くて組み立ててみてボルトが全部緩かったり、圧着端子の締め方なんて教えても自分なりにアレンジしてしまう。マニュアルなんて作っても見ないし。結果、通電したら電線が焦げたり。もうテキトー文化。こんなのじゃ何百年かかっても無理。絶望的クオリティーなのだった。

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