勉強ができない、本当?〜注意選択の影響〜

勉強ができない、ほんとう?

「勉強ができない」という子どもや「勉強ができなかった」という大人の方にお会いした時、本当にそうかな?と思うことがあります。というのも、話す内容や話し方から、決して知能的な問題を抱えている訳ではないと感じられるからです。
 じゃあ、この子、もしくはこの方の「勉強ができない」を作り出したのは、なんだろうと行動をよく観ると、向けるべき対象に注意を移せていないという傾向があること分かったりします。
 例えば、こういう子は、音の聞こえた方にすぐ顔を向けたり、興味ある対象から目を離せなかったりします。大人になると、このような分かりやすい行動はなくなるものの、目の前で話している最中にも関わらずキョロキョロと視線を動かしたり、部分的な単語のみ受け取って会話したりする、といった行動で残っていたりします。
 要するに、バランスよく周囲の対象物に注意を向けて、情報を仕入れることにつまずいている訳です。

注意が向かう対象を意図的に減らす

 じゃあ、どうしたらいいというと、注意が向かう対象を意図的に減らしてあげると、そういった方は勉強しやすくなります。具体的に言えば、学校の教室のような環境ではなく個別塾のような環境で勉強を教える、算数の計算問題をたくさん書かれた用紙で解かすのではなく、一問ずつ紙に書いて解かせてみる、といった形です。
 働く環境であれば、口頭で指示を出すだけでなく、内容がやや入り組んでいたら、箇条書きにして目で見える形でメモやメールで伝えたりする、といった形です。

注意選択という行動特性に目を向ける

 「注意を向ける」という行動は、目に見えないし、私たち自身も自然にやっているので見過ごされがちですが、それはコミュニケーションの基礎です。
 もしも、「ウチの子は勉強ができない」もしくは「私は勉強できない」と考えている方がいましたら、今一度「注意を向けられてる?」ってことに注目して、環境を整えてみることをおすすめします。その子は勉強ができないのではなく、インプットに躓いている、そう分かるだけでもその子に助けになるのではないでしょうか。





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