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微笑ましい≪我が子の夢≫もお気楽に願っちゃいられないと心に誓った話|『だが、情熱はある」の感想

7歳の娘が習い事教室で「将来の夢ボード」なるものに願いごとを書いていた。綴られた夢は「アイドルになれますように」。ボードには子どもたちの願いの数々。「みんなの夢が叶いますように♡」なんてセリフも、このドラマを観たらそんなお気楽なこと言えやしまい。母の願いは、もはや「公務員」一択やで。

ご紹介するのは日テレドラマ「だが、情熱はある」(2023年春)。オードリーの若林と南海キャンディーズ山ちゃんの半生を描いたこのドラマはキンプリの高橋海人とSixTONES森本慎太郎の演じる2人が似すぎていると話題。

森本慎太郎は体重を増やして見た目から似せてたけど、中身も本当に山ちゃん。妬み深くて、細かい小さな男の感じがもうめっちゃ山里亮太。
対して高橋海人は見た目全然若林じゃない。『こんなイケメンが若林とはエゴが過ぎる』と思ったけど、もうしゃべりが!!優しい雰囲気で全く優しくないワードを発する姿がめっちゃ若林さん。
あまりにハマり過ぎて、オードリーのオールナイトニッポンとか聞いたら、「若林さんって意外に若林に似てないな」って意味不明なこと思うぐらい海人若林にハマりまくりやった。

とにもかくにもこの似てる感を楽しむだけでも価値あるドラマ!

だが、夢を持つことはススメない

そんな力入りまくりのキャストを迎えて描かれていたのは2人が売れるまでの苦節10年。確かに2人は結果売れたし、夢も叶えた。山ちゃんなんて蒼井優と結婚してるやん!
しかし、しかし簡単に「挑戦してよかったね」「才能が認められて良かったね」とは言えない壮絶な孤独、嫉妬、焦りの10年間。

集中すれば10分で終わるような算数の宿題をあーだこーだと言い訳してやらない我が娘がとてもこの10年を耐えられるとは思えない。

そう思うと「夢を持とう」なんて決して気軽に言ってはいけない。この壮絶なストーリーを視聴して、感動して得た感想がコレかいなと落胆されるかもしれないが、それだけリアルに描かれていたということ。

改めて思う。プロという人達の凄さ

わが身に置き換えると現実的にならざる得ないけど、画面の向こう側で活躍する人のサクセスストーリーは面白い。才能がないと土俵にも立てないけど、タイミングや出会いが才能以上にものをいう世界でただひたすら努力し続けた人だけが残れる世界。いやぁ、まぢでスゴイ。

だってオードリーの漫才。春日がずれたツッコミをして若林がそれをツッコむというズレ漫才。これ絶対イケるって思ってからM1で決勝いくまでに2年かかってるらしい。ずーっとずーっと暗黒さまよって、やっと見つけた新兵器が評価されるまで2年、待てるかい?もうすごすぎる。

才能はベース
出会いと運は必須
心の強さは超人級

こんな神がかり的なレース勝ち抜けた人たちが作ってるエンタメ。寝転がってお菓子食べながら、大笑いしてて申し訳ないっす。明日から正座して拝見させていただきますよ。

≪作品情報≫
『だが、情熱はある』(2023年/日本テレビ)
脚本/今井太郎
演出/苅山俊輔、伊藤彰記、長沼誠
出演/高橋海人、森本慎太郎、戸塚純貴、富田望生ほか

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