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詩⑥「夏の道」
夏の道
浸みゆく水の
広がる果てを夢み
遠くで枕木を叩きつづけながら
ふるさとの列車は小さくなっていった
子どもの頃の記憶の片鱗を
一つひとつ重ね合わせては
誰もいない田圃の轍を
今日も歩いている
ふと 誰かに呼びかけられ
おもわず振り返ってみても
そこにいたはずの人の姿は
影となって風にきえてしまう
草いきれを身に帯びたまま
今では すっかり舗装された道の
裂け目からのぞいた草花に陰る
わずかな名残さえも
反射光にかき消されてしまう
たちまちに
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