シェア
【概要】 ・犬で比較的多く、猫は稀 ・歯周病、腫瘍、(外傷、電気ショック、医原性、オーバーバイト)により口腔と鼻腔の間に瘻管が形成され貫通 →慢性鼻炎、副鼻腔炎 →肺炎 【好発犬種】 ・長頭種(ミニチュアダックスフンド) ・小型犬(TPなど) 【症状】 くしゃみ、片側性/両側性の鼻出血、鼻汁、(稀に眼脂) 【検査】 視診 歯周プローブ:同側の鼻腔から出血あり→口腔鼻腔瘻 レントゲン:腫瘍、骨融解 鼻汁の細胞学的検査 細菌培養/抗菌薬感受性 CT 【治療】 ■外科的治療
【概要】 ・犬の口腔内はアルカリ性で歯垢が歯石に変化するのが早い(3日) ・3歳以上の犬猫の多くは歯周病に罹患している (噛むものを与えられた犬の方が歯石の付着が軽度) 【症状】 ■口腔周囲の問題 ペリクル(糖蛋白の被膜)に細菌付着 →6~8時間後に歯肉炎 →辺縁性歯周炎 →根尖周囲病巣(歯髄壊死→刺激物質が歯周組織(歯根の先端)に悪影響) →外歯瘻 →外歯瘻/口鼻瘻管/内歯瘻/小型犬では歯周病性下顎骨骨折(by骨吸収) ■全身の問題 ・細菌、サイトカイン、内毒素などが全
【概要】 基礎疾患+ →血栓形成(by凝固亢進) →臓器障害☚最も大きな問題 →出血傾向(by凝固因子の消費) ■腫瘍性疾患 血管肉腫/乳腺癌/肝腺癌/播種性組織球肉腫/肝細胞癌/リンパ腫/急性白血病/骨髄異形成 ■非腫瘍性疾患 溶血性疾患(IMHA,バベシア症) 急性膵炎、熱中症、敗血症、子宮蓄膿症、化膿性腹膜炎、GDV 【検査】 血検:血小板数 PT、APTT、フィブリノゲン、AT、FDP 【治療】 ■内科的治療(対症療法) ・輸液(いずれの場合でも
【概要】 ■原発性or■二次性→右心不全 【症状】 ・経静脈の怒張、肝腫大、腹水貯留 ・努力性呼吸、チアノーゼ 【検査】 フィラリア抗原検査 身体検査:雑音+(軽度症例は聴取できないことも) レントゲン:心陰影の拡大 腹エコー:うっ血肝、CVC拡大 心エコー:三尖弁逆流 →右心房/右心室の拡大 →心室中隔の扁平化 逆流が2.8m/s以上→肺高血圧症疑 (筆者は3m/s以上で肺動脈の拡張+で肺高血圧症とする) 【治療】(犬の治療ガ
【概要】 ・タウリン欠乏との関連の報告がされてから発生激減 ・心室収縮機能の低下 →心房拡大 →前負荷後負荷の増大 →両心不全 【好発猫腫】 ・シャム ・アビシニアン 【症状】 ・呼吸困難/開口呼吸 ・後肢麻痺(血栓症) 【検査】 レントゲン:バレンタイン型の心陰影、肺水腫。胸水/腹水 心エコー :左心室の拡張や菲薄化 (基本、計測するまでもなく 見た目にも左室の動きが悪くなっているのが分かる) *診断基準*
【概要】 心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症 →右ー左短絡 →酸素飽和度の低下 【症状】 ・運動不耐性 ・失神、虚脱 ・チアノーゼ ・多血症 【検査】 身体検査 :発育不良 分離性チアノーゼ←PDA 血液検査 :Ht上昇 レントゲン:心陰影の拡大 右心の円形か、肺動脈突出像 心エコー 心電図 :右心から両心肥大所見 ↓ 短絡血流が分からない場合・・・ →造影剤を用いたコントラストエコー法や心カテーテル検査 【治療】 シルデナフィルな
【概要】 動脈管(肺動脈ー大動脈)開存(本来は生後2~3日で退縮) →左ー右短絡 →右ー左短絡 →病態とともに肺動脈圧↑(肺高血圧) →肺静脈血が大動脈に流入&全身状態の急激な悪化(アイゼンメンゲル症候群) 【好発犬種】 ・コリー ・シェットランド・シープドッグ ・ポメラニアン ・チワワ ・ミニチュア・ダックスフンド ・TP 雄<雌 【検査】 身体検査: 心エコー:心基底部短軸像で短絡血流確認 +左心房/左心室の求心性肥大 +二次性の僧帽弁逆流 レント
【概要】 P波とQRS波が独立した調律で認められる 【検査】 問診 :麻酔薬/鎮痛薬、ジギタリス 心電図:房室解離 ーP波>QRS波 3度房室ブロックーP波<QRS波 【治療】 心疾患+→心疾患治療を行うことで不整脈を消退させる可能性 麻酔中 →アトロピン硫酸塩(0.05mg/kg) ・ACE阻害薬 ・硝酸イソソルビド:ニトロールスプレー ・プレドニゾロン(特に緊急性がある場合)
【概要】 インパルスが緩徐な状態 ・低体温 ・内分泌疾患(甲状腺機能低下症、アジソン病) ・麻酔薬/鎮静剤 ・迷走神経刺激薬 ・交感神経抑制薬 ・迷走神経緊張の増大 (神経/胃腸/呼吸器疾患など) ・原因不明→洞症候群 など 【症状】 ・虚脱/失神 ・嘔吐下痢(迷走神経緊張) 【検査】 身体検査:低体温 ・覚醒犬70bpm以下(特大犬種で60bpm以下) 睡眠中30bpm以下 ・覚醒猫120bpm 血液検査:内分泌疾患 画像:他疾患 【治療】 ■薬剤 ■
【概要】 ・欠損孔が小さい場合には発見が難しく、高齢時に偶発的に発見されることもある ・多くは中隔中央部に欠損孔が見られる二次孔欠損型 →右心不全 →肺高血圧症 →右左短絡 【検査】 身体検査:心雑音が聴取されないことが多い 心エコー 肺体血流脾Qp/Qs:1以上 【治療】 ■内科的治療 ・ACE阻害薬 ・利尿薬 ・肺血管拡張薬 ■外科的治療 ・開心術 ・インターベンションによる欠損孔閉鎖 手術適応基準はない ※重度の肺高血圧症を合併して、右左短絡になっている場合は適
【概要】 心室中隔に欠損孔 →全収縮期、拡張期に左右短絡血流を生じる →アイゼンメンゲル症候群 【症状】 右左短絡→チアノーゼを認めやすい 【検査】 心エコー 肺体血流比Qp/Qs:1以上になる 【治療】 *Qp/Qs* ・1.5~2以下:若齢時には自然閉鎖を期待して経過観察 ・2~2.5以上:治療を検討 ■内科的治療 ・ACE阻害薬 ・利尿剤 (強心薬投与する場合もあるが、重度の肺高血圧症では禁忌) ・肺血管拡張薬 ーシルデナフィル:レパチオ ■外科的
【概要】 ・以下の猫の心筋症のいずれにも属さない心筋症 ■肥大型心筋症 ■拡張型心筋症 ■拘束型心筋症 ■不整脈原性右室心筋症 ・他の心筋症の早期/末期な病態、心筋症と他の心疾患の合併した病態か →収縮不全あるいは拡張不全が主たる病態 【症状】 ・初期では無兆候 【検査】 血検:炎症性疾患(心筋炎、心膜炎)甲状腺機能障害、副腎皮質機能障害、糖尿病 電解質異常 BNP測定:無徴候の心筋症に対して鑑別診断の可能性 心エコー:いずかの心筋症に類似する異常 【治療】 う
【概要】 心膜液貯留→右心系の圧を超過した状態 ■腫瘍(血管肉腫、大動脈小体腫瘍、心膜中脾腫) ■特発性 【検査】 身体検査 レントゲン 心電図 心エコー:心膜液貯留、右心房の虚脱、腫瘤 【治療】 ■心膜穿刺術(第一選択) ・穿刺部位を決定 →留置針の外筒を側孔をいくつか作る →2%リドカイン局所注射 →18~26G留置針で穿刺 ↓■貯留液の検査(有用性が低いことが多いが念のため塗抹作成) ↓if bad ■心膜切除術(再発を繰り返す症例) ※心膜切除により腫瘍が播
【概要】 ・非常に稀で原因不明 ・右心室の著明な拡大と収縮拡張能の低下 →右心不全、不整脈 【症状】 ・胸水/腹水 ・呼吸困難 ・血栓塞栓症 ・不整脈による卒倒、痙攣様発作 【検査】 レントゲン:右房/右室の拡大、左房の拡大など 心電図 :不整脈 心エコー :右室の著名な拡大、右室壁の菲薄化が特徴的 右室壁が高輝度(by心筋のの脂肪置換) 【治療】 ACE阻害薬など 【予後】 生存期間ー3日、16日 他報告~4カ月