「自分は方向音痴だ」と思っていたけど違ったって話

おはようございます。小さなころから地図が大好きな慈岳です。

地図の何がどう好きなのかは分からないのですが、口頭で説明されるより地図を見たほうが何倍も早く把握できる、ASD特有の視覚優位が関係しているのかも知れません。

しかし30歳を過ぎるまで、私は自分のことを方向音痴だと思っていました。『人に道を聞いたときに』決して低くない確率で迷うのです。地図は文句言いませんが人はしゃべりますので、口頭での道案内が分からずに方向音痴だと言われて真に受けてしまっていたわけですね。


●迷子になってしまう理由

人に道を聞いたとき、「西に300m、ガソリンスタンドを北へ50mほどで右手に見えます」と言ってもらえれば大丈夫なんです。しかし、こうした案内をしてくれる人は非常に稀で、たいていの人は同じ場所への誘導でも説明の仕方が異なります。

「ここからあっちに向けて5分行ったらガソリンスタンドがあるから、それを右に行って3つめの信号を左に曲がってください。そしたらコインパーキングがあって1~2分歩いてもらうと右手に飲食店が3件並んでて、その向こう側にあります」

なんかすごくいっぱいしゃべられて分かりにくすぎるwww

私は平均的な女性より歩くのが速く、平坦な舗装路なら分速100~110mです。5分あれば500m進んでしまう計算ですから、案内との誤差は200mにも及びます。えーと、5分歩いたけどガソリンスタンドは何処ですかね。はい、あっさり迷子です。

●上司がそれは方向音痴じゃないと教えてくれた

当時の職場にて、方向強者として名高い上司に前項のネタを振ったところ、人生の転換期が何の前触れもなく訪れました。

慈岳「なんてワケでしてね、私は方向音痴です」
上司「それは方向音痴じゃないな。道案内する側が音痴だよ」
慈岳「むむっ?」
上司「東西南北で言われてパッと分かる人は音痴ではない。相手がどっちを向いていても太陽が西以外に沈むことはないだろ」
慈岳「それだ!」

嗚呼、上司に後光が射している。神降臨か。

上司「慈岳は方位磁石と地図があれば山から生還するタイプだな。前歴自衛官か……なら天性の方向強者に加えて技術もある。GPSなんて別に要らないだろ?」
慈岳「あれば便利ですけどなくても問題ない。現在地と目標地が分かればいいので」
上司「ほらなw まぁいわゆる『地図を読める女』なんだな慈岳は」

大昔にそういうタイトルの本が流行ったんですよ。男は話を聞かないし、女は地図が読めないみたいな。

●私が道案内をするときに気を付けていること

職場であるお寺には観光客もそこそこ訪れます。観光スポットやバス停の場所を聞かれることも少なくありません。よくあるのは、その場所までどちらに歩けば良いか、何分くらい掛かるかという質問ですね。

私は絶対的地理案内(東西南北と距離)のスタンスを崩さないとともに、質問者の年齢やグループ構成を考慮して手心を加えます。

お客様「○○寺に行きたいのですが、この方向で合ってますか?」
慈岳「反対です。○○寺様は当寺より東に1.2km。来た道を戻っていただくことになります」
お客様「東……東ってどっちでしょう」

時は午後も夕方近く。当地の道路は複雑ではないので、夕刻に○○寺へ向かうならお日さまと反対方向に行けば良いだけなのですが、これだけでは特に女性には伝わりません。

慈岳「お日さまを背にしてメインストリートを道なりに。(この人ハイヒールだなぁ、下方修正しとくか?)15~20分ほどで到着できるかと。途中左に折れますが、そのまま進めばすぐに○○寺さんが見えますよ。山門がうちの2回りは大きいので分かりやすいです」

また、同じ目的地でも現役世代で足の長い男性であれば「お客様の足でしたら10分程度で見えてくるかと存じます」、お年寄りを含むグループなら「ゆっくりご散策しながら30分もあれば○○寺様をおまいりできますよ」などなど、お客様に応じて計算を入れます。

道案内もコミュニケーションスキルが必要で、誰でも彼でもマニュアル的にすべて同じ案内をすれば良いというものではありません。夫はここが苦手で『自分なら10分で行ける』からといって、てきとーに「10分で着けますよ」と案内しちゃう。

いや、杖ついたおばあちゃんいてはるやん!
慈岳さんはハラハラしますw

おしまい

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