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鹿児島の私の好きなカフェ

鹿児島に住んでいた頃によく通っていたカフェがあります。鹿児島県歴史・美術センター黎明館の中にある「chinjukanpottery喫茶室」というカフェです。こちらは鹿児島の美山にある薩摩焼を代表する窯、沈壽官(ちんじゅかん)のカフェです。薩摩焼は黒薩摩焼と白薩摩焼に大別される歴史ある焼物です。
このカフェが入っている黎明館という建物は鹿児島の歴史民族資料の展示や企画展を行っているセンターです。黎明館の入り口である御楼門は島津氏の居城である鶴丸城の門です。石垣に囲われていて、お堀には蓮の花が咲きます。このカフェは駅からも少し離れており、また黎明館の中にあるので、地元の人でも知らない方が多いです。この穴場感が好きなわけの1つかもしれません。アクセスが悪いのにも関わらずまた「chinjukanpottery喫茶室」に行きたいと思うわけを考えていきたいと思います。

黎明館の入り口、御楼門。


まず、なんといっても名門の窯元の器が素晴らしいです。白薩摩焼は昔は島津藩御用達である高級品でした。そのため、美術館で飾られているような豪華なデザインのものが多いです。しかし、こちらのカフェでは現代のライフスタイルに合わせたデザインの器が使用されています。白薩摩焼の上品な繊細さを残しながら、現代の生活にフィットするデザイン。こんな器で食べたら数倍美味しく感じます。私が好きなのはりんごのシュガーポット。薩摩焼にしては珍しいカラーです。フォルムも絶妙でとてもかわいい。コーヒーはいつもブラックですが、このシュガーポットがあると、砂糖を入れたくなります。
フードも鹿児島らしいものいただけます。写真のケーキは、風月堂のポン吉ケーキ。見た目が可愛くて、癒されます。

りんごのシュガーポットとポン吉ケーキ。

このお店で薩摩紅茶というものに出会いました。紅茶が昔から好きで良く飲んでいたのですが、私の薩摩紅茶をはじめて飲んだときの感動は忘れません。外国の紅茶と比べて、香りがとても華やかでした。渋みも少なく、甘い余韻が続く。これがきっかけで、鹿児島のお土産で薩摩紅茶を買う機会が多くなりました。鹿児島県内でも意外と薩摩紅茶が飲めるお店が少ないので、美味しいケーキと薩摩紅茶を楽しめるこのお店は私の中でかなりポイントが高いです。

薩摩紅茶と城モナカ。

カフェの落ち着いた雰囲気も好きです。美術館内に立地しているので、静かに楽しむことができます。おしゃれなおばあちゃんが1人で来てたり、気の合う友人と来てたり、夫婦ふたりで来てたり。観光客よりも地元の人が楽しむカフェです。また、店内には、カフェで使用されている器や薩摩紅茶も買えます。鹿児島から外国までセンスのよいセレクトしているのも通う1つの楽しみです。

鹿児島のよいものを感じられるこのカフェが好きです。器、ドリンク、フード。鹿児島をセンスよくまとめているこの空間がとても居心地がいいのです。よく見てみると鹿児島のものなんだと気がつく。このさりげなさが居心地の良さにつながっているのかもしれません。このお店で新しい鹿児島を見つけた気がします。鹿児島の伝統と今の時代の暮らしが見事に調和しています。ぜひこのカフェで鹿児島の新しい風を感じてみてください。



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