敬三バス
本塁打王です。
雑学ではなく、お久しぶりの
エピソードの回です。
私は再三にわたってお伝えしていますが
元高校球児で、高校3年間を野球という
スポーツに捧げてきたわけですが、
その中でもいろいろなことがありました。
我々のチームは、
夏大前に必ず他県の強豪チームとの練習試合を
挟み、試合勘、モチベーション共に
爆上げした状態で夏大に臨むのが毎年の恒例
なのですが、高校2年の夏大前には
和歌山へ遠征に行くことになり、
朝から向かいました。
その日は夏日の中でも特に暑く、
朝から集合し、中型バスで向かうのですが、
何を隠そううちの監督はバス免許ホルダーなので
通常であればマイクロバスを借りるところを
いつも通り監督の私物のバスで監督の
運転で和歌山へ向かいました。
ちなみにこのバス、
見たことないテラコッタの
アースカラーバスです。
とまぁそんなことはさておき、
和歌山へ向かう道中は山という山を越えて
行くわけですが、対向車もスレスレの
山道を走破し、遠征先のグラウンドへ到着し、
その日はダブルヘッダーでした。
夏大前の7月の烈火の如く熱い夏の日差しの中の
ダブルヘッダーですので、監督といえど
へとへとだったことでしょう。
帰りのバスも監督の運転で帰ることに
なるのですが、我々の野球部では
毎回遠征のたびに監督の横の席に
座らされて、ありがたい訓示を受ける人間が
居ます。
地獄ってやつです。
その日は、1年生のS木という男が
隣に呼ばれ、ありがたい訓示を受けることに
なったのですが、帰りの山道の最中、
運転がおかしいことに部員たちは気付きました。
なんと、監督が居眠り運転をしていたのです。
それも、ガッツリした居眠りではなく、
起きたり寝たりを繰り返すパターンです。
シャトルラン形式です。いや、インターバル運転とでもいうのでしょうか。
居眠りをして、コクコクしている時は
アクセルに力がかかり、"ヴゥーーン"と加速し、
目を覚ますとアクセルを弱めるためスピードが
緩まる。これを繰り返していたわけです。
我々からしたらたまったもんじゃありません。
すぐさま3年生のキャプテンが、
監督が眠っているからと安心して横で眠っていた
S木に"S木!起こせ!"と大声で伝え、
監督をなんとか起こすことに成功し、
道中の道の駅で休憩をしてもらうことに成功
しました。
普段であれば、トイレ休憩しか許されず、
買い食いなどあり得ないのですが、
なぜか、その日は買い食いが許され、
初めて右手にソフトクリームを持ったまま
円陣を組むという経験をしました。
初めて収賄を経験しました。
その2週間後、監督のバスは
車検に通らず、廃車となりました。
上司(監督)の不祥事の責任を取らされて
クビになったのでしょうか?
残酷な世の中です。