「食堂み」の女たち26

全てを響子に話した。響子ならきっと分かってくれる。「ほおか…光恵さんも苦しかったな。黙ってたもんな。けど安心しいや。光恵さんの苦しみをちょっと背負ったるからな」「うん、ありがとう、キョウちゃん。ところで、うちの考えてること分かるって言ってたけどなんや?」「分かるで。ノリちゃんが自分で結論出すまで待ついうことやろ」「そや。やっぱ、おばはんやのぉ」「光恵さんまでおばはん言うな」

窓から外を見ると、いつの間にか雪が止んでいた。明日は晴れる。いや今日や。平成十一年がやって来た。「いい年にするで」響子は除夜の鐘が鳴る方に手を合わせた。


続く

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