「食堂み」の女たち9

作戦会議が始まって一時間…

三人とも腕を組んだまま黙り込んでしまった。いい考えが浮かばなかったのだ。書記役を買って出た俊一だったが、紙には何も書かれていなかった。
「意見言うたやん。なんで書かんのん?」響子が言うと「どれも不可能やん。最後に出てきたんが「ヘリコプターで捜す、やで」「あれは冗談やんか。お前何も言うてないな。何も言わんくせにえらそうにすんな」

「言うてええんか?オレの意見を」「なんやあんた、オレやて。ぼくちゃうんか」「探偵の場合はオレやねん。その方がらしいやろ」(好きなように言うとれ)「言うてみ。一応聞いたるから」「なんや、その上からの言いようは。まあええ。まずな、相手はデブ専やろ。ほなからデブ専の店を捜す。多分もうミナちゃんのところには電話かけてこんから、他の店をさがすんや」「ほおほお、ほんで?」二人は身を乗り出した。「それで待ち伏せる。ヤツはデリヘルやのうて、ホテヘルが好きそうなんやろ?」二人が美奈の顔を見入る。「そやそや言ってたわ。ワイは待ち合わせが好きなんやって」「うんうん、そしたら待ち合わせ場所って決まってると思うんや。ほら、店ごとに場所が書いてある」知らない間にケータイの画面を見ている。
「それうちのやんか。いつの間に盗った!」響子が引ったくった。(なんでこいつ、そんなことまで知っとるんや、利用したことあんのか)ケータイでいろんなデブ専の店を調べてみる。
めぼしい待ち合わせ場所は、コンビニ前、映画館前、ニューワシントン前、ワークショップ前、成城岩井前…etc.


続きは明日

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