「食堂み」の女たち13

禿げ頭は部屋に入ってすぐ、一緒にシャワーしたいと言ったが「うち恥ずかしいねん、先に入ってて、すぐ行くねっ」背中を押して後から軽く抱きしめてやった。シャワーの音が聞こえてきだした。
(しもた!コース聞くん忘れた!まあ…ええか)急いでスーツの内ポケットをまさぐる。財布があった。狙いどおり、金がいっぱい入っている。他でも盗んでいるはずやから、ようけ財布に入っとる、というのが俊一の考えだった。
札も小銭も全て抜いた。「大事なこれ、入れとこ」呟き、ホテル仕様の紙に、お疲れさん、ごゆっくりと書き、空っぽになった財布に入れ、スーツの内ポケットに戻した。


続きは明日

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