おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか第二話感想

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」の第二話が放送された。めちゃくちゃよかった。名言が多くて刺さり倒してしまった。我が推し、東啓介さんのお顔も見れてハッピー。
以下公式からのあらすじ
第2回 2024年1月13日(土)放送 腐女子って何!?愛と情熱の世界におっさんレベルUP

ひきこもりの息子・翔(城桧吏)を理解するため、ゲイの青年・大地(中島颯太)と友達になり、自らのアップデートを誓った昭和のおっさん・沖田誠(原田泰造)。そんな中、娘・萌(大原梓)に大問題が発生する!
マンガをこよなく愛し、BLの二次創作に勤しむ腐女子ガチ勢の萌は、国内最大級の同人誌イベント・コミックカーニバルへの参加を決めていたのだが、急な発熱で行けなくなってしまったのだ。それでも無理していこうとする萌を妻の美香(富田靖子)と止める誠。
「じゃあ、父さんが行こう」
ひょんな事からコミックカーニバルに参加することになった誠。しかし、そこには異様なコスプレ女子・林檎(工藤綾乃)やセーラー服姿のおじさん(森本のぶ)がいて……。果たして誠は腐女子の世界を理解することは出来るのか!?(https://www.fujitv.co.jp/b_hp/oppan/index.html)

1話で放送された次回予告を見ていた時、ちょっと怖かった。2話、大丈夫かな……。こういうテーマで作られる腐女子やコミケというのは結構過剰に盛られている傾向にあると個人的に思っている。共感性羞恥心というか、ちょっとやばいやつだよね、みたいな雰囲気で描かれているものが多くちょっと、いやかなり警戒しながら見た。結果、凄くよかった。
というか、誠自身が「二次元にハマるやつなんかみんなヤバいやつだ」というバイアスを持っているのでそこを修正するためにも真摯に作りこまれた作品という印象がある。

あらすじで書いてある通り、今回の軸となるのは長女の萌だ。萌は生粋の腐女子である。推しているアニメの供給を受け、そこからの熱量で二次創作を生み出しており今回もコミカで同人誌を販売しようと製作に取り組んでいた。ただ、製作スケジュールがギリギリだったらしく間に合わせるため無理してしまった。結果としてイベント当日発熱してしまった。発熱した萌に対し誠と美香はイベント参加を諦めるよう伝えるが、萌はどうしても行きたいと言う。
この時、萌が言った言葉は「待ってくれている人がいる」だった。何かを作ったことのある人だったらこの言葉の重みが分かると思う。
創作は基本的に孤独だ。誰に求められているのか分からないものを作るのは怖い。その孤独を乗り越えられるのは「喜んでもらえた経験」「反応をもらえた経験」「対象物への愛」だと思う。圧倒的な成功体験があるから、苦しいと分かっていても孤独な作業に取り組むことができる。
誠は萌の言葉を聞き「今、このタイミングが大事である」という事を理解する。そして萌のために自分が代わりに行くと告げる。
驚く萌。引き攣った笑みを浮かべながら言う。

「いやいやいや、自分で言うのもなんだけどみんな人さまに簡単に理解してもらおうと思ってないの。自分たちの世界で生きていてそれを壊されたくないの」
(おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか)

分かる~!めっちゃ分かる~!分かり過ぎて膝パーカッションしまくった。そう本当にそれなんだよな。
めちゃくちゃ好きなものって人に言いづらい。否定されたり馬鹿にされたりいじられたら深く傷つくからだ。自分の根っこのところにある大切なものを否定されるという事は自分自身も否定されるということ。だったら理解されなくてもいい。一人で楽しめばいい。萌のこの言葉はこの後のシーンで繋がる。誠が車に荷物を入れている中、萌は誠に「大事なイベントなの。みんなこれがあるから毎日を耐えられる」と伝える。誠は「だったら余計行かないとだめだろ」と言うが、萌はもどかしそうに続けた。

「お父さん、絶対みんなのこと傷付けるでしょ。現実よりも二次元の方がよっぽど大事な人の気持なんか分かんないでしょ。現実逃避だって言うでしょ。大人になりきってない幼稚な人間だって」
(おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか)

言葉尻を強くしていく萌に対し誠はピンと来てない様子。美香に諭されるが、萌は誠に対し傷付いた表情のまま食い下がる。萌が言った言葉はすべて誠が過去言っていた言葉だった。誠が直接萌に言ったわけではないが、何気なく言ってしまった言葉が萌の柔らかいところを深く傷付けた。
結果として萌は父親を諦めた。理解してもらえなくていい、否定されるくらいならもう近付かないように自分が気を付ければいい。萌を傷付けた自覚がない誠は自分ではだめかもしれないと迷いを見せる。萌は「そうだよ、お父さんって他人が大事にしているものを自分の尺度で否定するじゃん」と行くのをやめるように告げる。
誠の脳裏に翔のこと、ブラジャーを付けていた後輩や推し活のため仕事を休んでいた後輩のことが浮かぶ。かなり食らっているんだろうなぁと思った。
じゃあどうするか、迷っていた時、偶然大地が通り掛かる。事情を説明すると大地が「手伝います」と提案した。そして誠は大地を連れてイベント会場へ向かうことを決める。

萌の知り合いであるという林檎さんと合流し搬入荷物の引き取り所へ向かうとコスプレイヤーの男性が仁王立ちで待っていた。ピンクのウィッグに髭面という変わった男性。誠がビビっていると髭面コスプレイヤーは「お荷物お預かりします」と誠の荷物を丁寧に受け取る。その後も戸惑う誠をよそに仲間のコスプレイヤー達に指示を出しきびきび準備を進めていく。その様子に誠は関心する。

2話の中で良いなと思ったところがこの後の場面だ。搬入用エレベーターで段ボールを抱え待つ誠。誠は段ボールが重くてつい地面に置いてしまう。そして髭面コスプレイヤーに「重いでしょう」と声を掛ける。
髭面コスプレイヤーは「いえ、パイン先生(萌)の大切な作品ですから」と段ボールを地面に置こうとしない。現場不在の萌なのに萌がいかにこの世界で愛されているのかよく分かる。大切な作家さんの大切な作品。例え目の前に作家本人がいなくてもリスペクトを込めて作品を扱う。彼らの情熱と人間関係が垣間見える瞬間な気がした。

萌の同人誌は無事完売。片づけを終えて二人は車に荷物を戻しに行く。大地は萌の作品が完売したことを褒めるが、誠は「二次創作だろ?本物の漫画家さんの真似じゃないか」と言う。それに対して大地はこう返す。

「俺も二次創作のことはよく知りませんけど、あんなにたくさんある二次創作の中で萌さんの作品を選んだ買った人達って萌さんが世界をどう見ているのか知りたいって思ってるんじゃないですか。つまり萌さんの好きって気持ちがみんなを動かしてるってことですよ」
(おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか

うお~!!!大地、お前なぜそんなにいいやつなんだ!!!人生二周目か!?最高すぎるだろ!!!

誠は大地の言葉を聞き今日会って来た人達のことを思い出す。そして最後に美香の「お父さんも好きなことができればわかりますよ」と言われたことを思い出す。仕事一筋だった誠には好きなものがなかった。それを寂しそうに噛みしめた。

ラスト、誠が愛犬のカルロスの散歩をしていると大地を見かける。大柄の男性と話している様子。話しかけようとしたが、大地が男性と抱き合っている姿を見てしまう。普段見ている大地と違う表情を見て誠は戸惑う。ゲイだと分かっていたのに目の前でそれを見てしまった時、どう受け止めたら分からない表情を浮かべていた。

そして!その大柄男性こそ我が推し東啓介さん!背中だけで最高!大地をすっぽり包み込む様子が最高!あんな背が高いのに自転車小さい!可愛い!ハーフアップ最高!茶髪似合ってる最高!とにかく最高すぎた。

次回は誠が大地とデートする話らしい。大地の母親も出てくるようで、タイトル回収の予感もある。東さん、たくさん出てくれると嬉しいな!

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