村上春樹好きの文章をやめよう

 村上春樹の作品が好きです。作品も好きだし文章も好きです。言葉遣いや文章のテンポや台詞回しが好きです。考え方も似てしまっていて、少し気持ち悪い部分があります。村上春樹作品を読むようになっておおよそ6年が経ちました。往年のハルキストに比べればまだまだ若造ですが、ある程度のところで似せていくことをやめなければならないと思い始めました。
 同じ文章の構成で書いていては、同じことしか言えなくなりそうなのです。同じことの繰り返しを、ただ表現や言い回しを変えているだけのように聞こえます。そのこだわりや表現の方法で自分自身を昇華させていけるのなら素晴らしいのだけど、なかなか私のような凡人はそうもいかないようです。文章はリズムに尽きる、と村上春樹は繰り返し言っているし、川上未映子との対談の中でもやはりその話題に触れています。それはそれで知識として知っていたのだけど、いざ最近の文章の書けなさ、というか何を書いていても同じような内容になってしまうことには、村上春樹っぽい文章のリズムをぼくが模倣しているからなのかもしれません。もともとそういう気持ちがあったわけではないのだけど、やはり好きな文章に自分の書くものも近づけようという想いが働くのでしょう。しかしそれが少しばかり固執気味になっているというか、それでしか表現できなくなっているということが問題だと思っています。だから、もっと自由にのびのびと文章を書いてみようと気持ちを一新にまた、書き始めます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?