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同人誌「鬱と僕と…」刊行のお知らせ

 はじめまして。サークル「インタース亭ラー」です。
私たちは11/20(日) 文学フリマ東京にて、鬱テーマ合同誌『鬱と僕と…』を頒布予定です。『鬱僕』は、うつ病当事者を含む執筆者たちが各々「鬱と○○」について綴った文集となっております。
 取材記事・エッセイ・作品評・短歌・四コマ漫画・小説――様々な表現形式で書かれた「鬱と○○」。憂鬱な毎日を送るあなたに、かつて憂鬱だったあなたに、これから憂鬱になるであろうあなたに、どれかひとつでも刺さること間違いなしです。

『鬱と僕と…』表紙
イラスト:モッ(@moyapaint)

A5判 84ページ
価格  500円
頒布方法 文学フリマ東京 11/20
ブース: 第一展示場 X-13
※ぐるぐる目の女の子と、どんよりとした灰色の表紙が目印です!

以下、掲載記事についてご紹介します。

鬱と実態

筆:ねらるみ(@niwaKingdom)

 現役精神科医に聞く。うつ病の実態とは?
うつ病の原因、精神病の分類、治療法などに関する専門家からの説明のほか、精神科の現場のリアル、はては精神疾患と創作についてインタビューしました。

 ー 鬱ってそもそもセロトニン異常じゃないですか。

いやそれも難しいところ。ちょっと否定されつつあるというか、
違うんじゃないみたいな、やっぱりセロトニン異常も仮説に過ぎないから。
そういったところでやっぱり別の機序の抗うつ薬も試されてるっていう感じ。笑気麻酔に使ってたケダミンとか。ていうのも、うつ病って単一の疾患でなさそうじゃないかっていうのがありまして。単純にその状態を表している…。

 ー なんか風邪みたいなもんなんですかね

そうですね、いわゆる「症候群」ですね。風邪なら原因となるウイルスがいっぱいあるわけで、
それぞれ機序が違うんだろうけど、我々が一般的に「風邪」って呼んでるような感じでうつ病も多分背景にはいろいろ原因とかあるんだろうけど、我々は「うつ病」っていう単一の名前で呼んでいて。人間として症状が似ていればうつ病って言うけど、実はひとつひとつ違うんじゃないか。だから厳密には「鬱症候群」の方が正しいっていう(意見があります)。

本文より抜粋

鬱と部屋~随想録~

筆:ジグザグ丸(@zigzagion)

 部屋のゴミと原稿の〆切に圧迫された人間の、格闘の記録。
 シンクに放置された皿に炊飯ジャー、そこかしこに散乱するペットボトル、居間に堆積した衣服たち……蓄積した部屋の「汚さ」を少しずつマシにしていく過程を克明に描くエッセイです。部屋のゴミを全て吐き出すことは叶いませんでしたが、原稿は出せたようです。

鬱と希―『白い砂のアクアトープ』における「鬱展開」について

筆:葉入くらむ(@Kuram_Haily)

「鬱展開」を通して物語からネガティブな感情を受容すること、それは〈通俗的な〉「鬱」の〈疑似的な〉体験にすぎない。けれどそれは、二重に隔たれた― 現実の経験でかつ、厳密な意味の― 鬱の断片へ達し得るのではないか。

本文より抜粋

 アニメ『白い砂のアクアトープ』の鍵となる「水槽の幻」を神学的奇跡/確率的奇跡の区分けを補助線に分析し、本作の鬱展開に潜む偶然性に目を向けます。現実と作品世界を重ねあわせつつ、主人公を襲う偶然性とその回復の過程をなぞることによって「鬱展開」をどう乗り換えるか考える作品評です。

鬱と芸術

筆:NEMO(@M_B_G_UNO)

 精神障害が描かれる作品のレビュー集です。
幅広い作品ついて、ニッチな情報を交えながらゆるっと語ります。

<映画>
『イレイザーヘッド』『メメント』『ワールズエンド酔っ払いが世界を救う!』
<音楽>
『ParanoiaAndroid』『CHURCH OF HAL』
<漫画>
『THE ビッグオー』『Peanuts』

鬱と私とYouTubeを見よう

筆:ラタ側(@udonnigomaabura)

「家族がずっと見てると鬱になりそう」と名高い『スポンジ・ボブ』など、Youtubeに公開されている動画の厳選レビュー集です。QRコードですぐ飛べる親切設計。

ぬめりはじめる

筆:岩田怜武(@sato39mu)
 短歌十首。
 生命の始まりたる海。陸との境界にはぬめりとした生の臭いが漂います。

鬱と4コマ

漫画:瀬田龍之介(@YamaiZen)
 絶対にインターネットにお出してしてはいけない、狂った家族の4コマ漫画集。瀬田先生の倫理感ゼロ漫画が読めるのは『鬱と僕と…』だけ!

鬱と戦国傭兵

筆:モッ(@moyapaint)

彼を評する言葉があるとすればそれは『例外』。弁慶に対する義経、蹴速に対する宿禰。それは史上まれに現れる、百点満点のテストで二百点を取るような存在。大陸の軍師が記した兵法にて動如雷霆(うごくことらいていのごとし)とあるが、彼の動きは比喩を伴わぬ雷霆そのものだった。鬱金衆の頭でありながら、先陣に立ち一人敵陣に斬り込む砲弾のような兵。

本文より抜粋

 戦国の乱世、稲妻の速度で敵をなぎ倒す<例外>の武士、鬱金婆娑羅(ウコンバサラ)。人知を超えた最強武士の凋落はのちに「鬱」と呼ばれるに至った。疾風怒濤の文体で描く偽・故事成語・小説です。

鬱とし生けるもの

筆:鳥原継接(@t_tsugihagi)

僕の言葉に、老婆はうんうん深く頷いた。ですからね、このパーフェクトスリーパーは形状と材質にこだわっただけのただの枕じゃないんです。このコンセントを繋ぐとですね、失礼します、スイッチを入れるとここのランプが緑になったでしょ、これでこの枕からプロトン波が放出される、という機能があるんですよ。おかあさん、申し訳ないけど小皿とお醤油貸していただけますか、いえいえ、プロトン波の効果を見ていただきたくその実験で、すみません、すみません、はい。ありがとうございます。
・・・

本文より抜粋

 怪しい商品の訪問販売を生業にする主人公。飛び込み営業の後はパワハラ上司に詰められ、不良品だらけのアパートに帰宅。壁に当たり続ける掃除ロボット、話の通じないアレクサ、べたついた岩塩ランプに囲まれて弁当をチューハイで煽る。何も売れなくなった「僕」はついに自分自身を「即身仏」として売ることになり…?

以上、記事の紹介でした。
どれかひとつでも気になったら、お手に取っていただけると幸いです。

文責:葉入くらむ(『鬱と僕と…』校正担当)

 

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