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ケンちゃんの誕生日【読切超短編小説】

「はい、ろうそくを消してね。」
ママが言う。

今日はケンちゃんの5歳の誕生日。
ケーキが用意され、
ロウソクが吹き消された。



とはいっても、実際のところ、
ケンちゃんは5歳ではないのだ。

人が歳を取らなくなったこの時代、
全員が同じ歳だと社会が成立しないので、
年齢はランダムに振り分けられていた。

ケンちゃんは、80回目の5歳の誕生日。
ママの方は、
30歳になってまだ5回目で、実際のところ…

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