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レアモデル列伝-14   傷だらけのローラ

 題名をみて西城秀樹と思った人、御免なさい、歌ではなく車なのだ。
 LolaフリークではあるがMcLaren程は集めていない。特にクーペは69年のDaytonaで優勝したLola T70 Mk3の2台が、Mark DonohueとSUNOCOフリークとしての購入なのだ。
 Lola T70は2座のスパイダーの優勝は多々あるが、T70 Mk3の大レースでの優勝はこれ1回のみだ。

奥:スタート前のモデル、手前:フィニッシュ時のモデル 何もSpark製1/43

 M. Donohueについて書きたくて、優勝時のモデルを探すも発売後大分経って既に正規の値段では購入できない時期に入手、車はウエザリング仕上げで左フロントを破損し、応急修理したテープ跡が目立つ、後端のフラップが左はあるが右は脱落している(初めから着いていない 24.03.17改正)。

左フロントの事故が痛ましいが、右ホイールアーチにも修理の跡が
後部フラップ、左は残っているが、右は脱落し銀の羽根が見えない(最初から着いていない 前述)

 資料(Auto Sport 1969年3月号、他)をみると、Daytonaのバンクを走っている時、前を走っている遅い車が斜行、それに追突し壁に激突の結果フロントを破損その他、燃料ポンプの故障、スターター・モーターの交換、排気マニフォールドのガスケット破損や3度のマニフォールド・クラックの溶接等で2時間掛かって修復しレースに復帰した時の結果だ。こんな傷だらけの状態で良くまあ完走、それも優勝してしまうのが、チームPenskeの凄いところ、だからこそこんなモデルが発売されるのも頷けるし、Lola本の表紙にもなるのだ。

写真、車の奥、左から3人目のクールカットの男性がRoger Penske本人

 訂正文
 最初の投稿で後端右フラップが外れたと記載したが、これは誤りであることが分かり、外したとの記載が正解。
 推測ではあるが、予めDaytonaでの練習で左回りバンクを早く走るために、空気抵抗と右後輪タイヤの摩耗減少を試みたのかも知れない。(1967年以前のIndy 500は左回りの変形楕円コースのためで左右のサスペンション長を変えていたのと同じか?)

Spark製1/43 Lotus 38&42F サスペンションアームは右>左と差がある

 これが判明したのは、最近TECNOから1/18のSUNOCO Lala T70 Coupeの予約写真が公になったのを見たから、この後方写真を見ると、後端のフラップは左右共ある、これは多分Daytonaエントリー時の車モデルなのであろう。

(参考写真) 1/18 TECNO製、後端右にもフラップが着いている

 この様に、当時の車状態を把握できるのも、モデルがあってそれをゆっくり眺め、考えを巡らすことが出来るからであろう、またそれが発見できた時、誰もそれを知らず自分の蘊蓄にするのも楽しみの一因だと思う。
                                                                    2024.03.17

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