事実は小説よりも奇なり-20: Spark製Chaparralー1
ミニチュアカー(ミニカー)を集めていて不思議に思っていた一つが、Sparkから白いChaparralが発売されていないことであった。ChaparralはFerrari同様に版権が厳しいとの噂を聞いたことがあったので、コスト等の問題で製作の権利を取っていないのだと理解していた。しかし黄色のChaparralはあるではないか、1980年のIndy 500優勝車の版権は黄色に塗られたPENNZOILかRoger Penskeにあって取れたのだと思っていた。
2023年の12月に1967年のLe Mansに参戦したNo.8のChaparral 2Fが発売され、以後もNo.7の2FやNo.9の2Dの発売が予定されている。販売店で情報を集めたところ、Spark(SP)ではLe Mans 100周年を記念し全参戦車を出す予定、その一貫としているらしく、2Aや2C、2E・2G等は予定にないらしいことを聞き、残念とともに製作社側の意向が分かってそれはそれで良いかとも思っている(同じモデルの別会社からのものを集めると金額が嵩むのは爺さんには辛い)。
同じ車のモデル、並べて比べてみると結構な違いがある。ミニカーの設計は斜め上からモデルを眺めるようにして設計する、単に本物を1/43や1/18に縮尺したものではない。ここに製作会社や設計者のポリシーが現れるのである。それでは一つ一つをみた。
先ず全体はSPがminichamps(MC)より若干小柄でウイングを含めた全高が心持ち低い。コクピットも若干異なり、SPがやや低く、サイドウインドウの有無、窓枠の着色が多少異なる。ラジエーター前方のルーバーの位置も異なりSPが若干高い位置にある。モールドを比べるとSPは右側のドアの下に半円形のリベットをみるが、MCは省略している。細かいところでは8の大きさと太さも若干の違いがある。フロントガラスの上方の黒い目張りの大きさも異なる。
一番の違いは後ろのNo.8の番号、MCは垂直だが、SPは斜めに貼られている。このモデルはBruce Jennings / Bob Johnsonが駆った車、予選24位、決勝は10時間91ラップ目にスターターとバッテリーが故障しDNFと記録されている。アメリカ国内のDaytonaやSebringで参戦しているが、謂わば二軍。Le Mansではこれが初めてか、以前MCのモデルを購入したときは、筆者は浪人中か大学の低学年でとても熱心にRace本を見ていた訳ではない。そのせいか、No.7とNo.8が売られていたが、台座に注釈が付いてなく、なんの気無しにNo.8を購入したと思われる。
このニ軍の車の写真は少ない、さらに後部の写真は手元にあるChaparral本のどこにもない。そこで検索をかけて探してみるとその写真をみつけることが出来て、斜めに貼られていた。MCは写真を参考にせず、No.7と同じ向きと考えた様だ。
一部追加
2024.07.22にNo.7 Phil Hill / Mike Spenceが駆った新発売のChaparral 2Fを購入した。元々の素性は同じだが、細かいところが一寸異なるので、「note」に「重箱の隅をつつく-20 モデルカーを比べて見たら、目から鱗」を掲載した。
2024.07.13
参考文献
LE MANS The Official History of the World's Greatest Motor race 1960-69
May 2010 Hynes Publishing UK
2024.01.06
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