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モデルカーあれこれ

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モデルカーは実車を単に縮めたものではありません。斜め上方から眺めて、実車の雰囲気を楽しむのと同時に、雑誌の写真には写っていなかった部分を見て、新たな発見ができる物です。その歴史を…
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#Ferrari

異能β-12: 続  Ferrari最後のLe Mans優勝車 250LM

異能β-12: 続  Ferrari最後のLe Mans優勝車 250LM

 1950年代の後半から、向かう所敵なしの活躍を見せたFerrari。

 Le Mansには1949年以来エントリーしているが、58年の第26回に初優勝して、レースの主役に躍り出た。60年から64年まで連続して優勝、我が世の春を謳歌していた。
 その頃、Fordは世界一の称号が欲してFerrariの買収を試みて失敗。それならと自前の車で64年のLe Mansに挑戦、ここにFerrariとFord

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事実は小説よりも奇なり-15: その嘘本当!  64 Road America 500 Miles

事実は小説よりも奇なり-15: その嘘本当! 64 Road America 500 Miles

 歴史を紐解くと、結構面白い出来事が見つかる。今回はそんな嘘でない真実を紹介する。

ChaparralフリークはChaparralあるいはJim Hallの文字を見ると直様収集しようとする。それでNo.67 Chevrolet Corvette Grand Sportを購入し、台座の解説を見て?と。

 1964年9月13日、Elkhart Lake(6,437km)で行われたRoad Amer

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重箱の隅をつつく-12:Ferrari Red以外の250LM

重箱の隅をつつく-12:Ferrari Red以外の250LM

 Ferrariといえば、その赤色はFerrari Redといわれ、多少黄色が入っているように感じられるが、イタリアの明るさからくるのか。そんな、Ferrariの中にあって赤色以外の色を好んで使用する車が数種類ある。

 今は無き「minicar magazine」誌2019年の6月号に「特集 フェラーリ最後のルマン優勝車-250LM」と題し、7ページに渡り文章を記載した。残念ながら無料の冊子だっ

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重箱の隅をつつく-2           Ferrari 250 LM   No.136

重箱の隅をつつく-2          Ferrari 250 LM  No.136

No.の示す通り、1965年のTarga Florioにエントリーした赤いFerrariはNicodemi/Lessona組、14位でフィニッシュした。Targa Florioは出発を時差式で行い、それをNo.にしている珍しい例だ。 この車のシャーシ・ナンバー(CN)は色々調べるとCN 5891が一番合致する、しかし5891は3台しか作られなかった左ハンドル車、モデルは右ハンドルなので違うと考え、

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事実は小説より奇なり-5    Can Amの赤い徒花 Ferrari

事実は小説より奇なり-5    Can Amの赤い徒花 Ferrari

 2022.08.05、eBayのオークションで一寸珍しいモデルを落札した。Ferrari 612というFerrariでは当時最大の排気量を誇るレースカー。このモデルの台座には1969年のLaguna Secaに参戦したと書かれていた。しかし資料をみて吃驚仰天、なんとそのレースでは走っていないのだ。

 1960年代、アメリカでは大排気量で規制が緩やかなCan Amが人気を促した。その賞金額は当時

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