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鉄道 定期券利用判定のバグ

当ポストは定期券の不正利用を推奨・幇助するものではありません。

【前置き】定期券における複数経路の扱い

ICカードの定期券を利用し定期券範囲外の乗車した場合の運賃精算方法についてはご存じの方も多いと思いますが、定期範囲は精算されず、範囲外の乗車運賃が自動で残高から引き落としされます。
詳細はJRのHPに記載がありますので、こちらをご覧ください。

しかし、都心では同じ区間を複数経路を利用できる場合が多く、そのような場合の一部には精算時のバグが存在するようです。

複数経路と書きましたが、途中で改札を挟んだり入出場する改札が違う(駅名は一緒でも事業者が違う)場合がほとんどですので経路が一意に定ります。
この場合は定期経路と違う場合は明確に分かりますので、通常通り定期外の経路の料金が引き落としされます。
一部例外として、同じ改札での入出場で途中に改札乗換を挟まない場合は経路の特定が困難です。
例として 
東京〜新宿をJRの中央線経路での定期を購入した場合
山手線を利用した場合でも改札は同一ですから、どちらの経路を利用したかの特定は困難ですし料金も同じですので、黙認されているものと思われます。(一応不正利用のはずですが、こんな使い方に実用性はないですね)

JRとしては公式に挙げているケースとしては大井町経由のりんかい線乗り換えと、大崎経由のりんかい線直通での複数経路です。
この場合は定期券の場合大井町で改札を通るはずが出場時に大井町での改札通過記録がないことで経路を一意に特定できています。

https://www.jreast.co.jp/suica/use/auto_pay/others/commute.html より引用

定期券区間内で入出場した場合でも、途中で定期券の経路外を乗車したときは、自動改札機のドアを閉めさせていただく場合があります。
東京テレポート駅の出場時に、「大井町駅の改札機通過記録」がないことから、自動改札機のドアを閉めさせていただく場合があります。この場合は、駅係員のいる窓口に「大崎駅を経由」された旨をお申し出ください。窓口にて、定期券区間外となるJR東日本線「品川~大崎」間の運賃146円とりんかい線「大崎~大井町」間の運賃210円の合算額356円を精算します。

同ページより引用 https://www.jreast.co.jp/suica/use/auto_pay/others/commute.html 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、私が遭遇したケースを紹介します。

前提条件

  • Suicaの定期券 所沢〜和光市 経路は以下

  • 所沢〜秋津(西武池袋線) 新秋津〜北朝霞(JR武蔵野線) 朝霞台〜和光市(東武東上線)を一枚の定期券にまとめたもの

西武と東武を繋ぐ駅「小竹向原」

この辺の鉄道事情に詳しい方なら分かるかと思いますが、
「所沢」〜「和光市」へのルートは主に

  1. 武蔵野線を使うルート

  2. 小竹向原乗り換え

  3. 池袋乗り換え(今回の場合あまり現実的ではない)

の3通りあります。
私が作った定期券のルートは1のルートで、乗り換えのために2回改札を通る必要があります。(徒歩連絡駅なので正しくは4回)
一方で2のルートは西武、東武からそれぞれ有楽町線・副都心線への直通で小竹向原に行けるため、改札を通る必要はありません。

もう5年くらい前の話ですが電車が運休していた時「振替輸送に並ぶのが面倒だったので運賃取られても良いからそのまま入るか」と2の小竹向原経由のルートを使ったことがあります。

1.武蔵野線を使うルート 一番安いが秋津・新秋津、北朝霞・朝霞台は徒歩連絡のため面倒
2.小竹向原乗り換えルート 直通電車のタイミングが合わないと時間がかかる

起こるべきはずだったこと

私の持っていた定期券の経路は1.武蔵野線回りのルートですので、2.小竹向原経由のルートを使用した場合、定期が有効なのは所沢〜秋津間のみであり、秋津〜和光市の運賃491円が請求されるべきです。(2023年8月時点)

実際に起きたこと

運賃が取られるのは承知の上で振替輸送の手間を怠って乗車したのですが、改札出場時に引き落とされた金額は「0円」でした。
見間違いかと思いましたが、利用履歴を確認しても履歴が残っていない(定期券利用)の判定になっていました。
この時は最寄りの駅員に事情を話し、振替輸送ということにしていただいたのですが
つまるところ、「武蔵野線回りの定期券で小竹向原経由のルートも乗車できてしまう」のです。

なぜそんなことが起こるのか

今回の状況ですが、前段として話に挙げたJRの「大井町経由のりんかい線乗り換えと、大崎経由のりんかい線直通」でのケースとほぼ同じケースです。
どちらも
・定期券は改札を利用した乗り換え
・実際には改札を利用しない乗り換えで別経路を利用可能
出場時に通るべき改札の通過履歴がない」ことで定期経路でないと気がつくことができるはずなのです。にもかかわらずこちらのケースではそれが見過ごされていたように思います。

仕様限界なのか?

自動改札機における定期区間の経路判別ロジックがどのようになっているかは全く知りませんが、こういった特殊ケースには対応しきれていないのが現状なのでしょうか。
よくよく考えるとりんかい線のケースをとってみてもおかしな点があります。
定期外の経路が使われていると気づいているのであれば直接運賃を引き落とせばいいものの、実際の対応は「自動改札機のドアを閉めさせていただく場合があります。窓口にて精算していただきます」となっています。つまり、特殊ケースの場合のみ無理やり改札を閉めてしまうという対応をしているわけです。
ここから推測されることは以下でしょうか(あくまで素人の推測ですが)

・入場駅と出場駅が定期区間と合っている場合は定期区間と判定される
・りんかい線のような特殊ケースの場合のみ別チェックが入るようになっており、通るべき改札を通っていない場合には改札を閉める
・今回の小竹向原経由に絡む定期には上記の別チェックが入っていないため、別経路での利用ができてしまう

最後に

改めて、当ポストは不正乗車を推奨・幇助する目的ではないことを明確にするとともに、私が遭遇したのは5年ほど前のことでしたので現状は正しく徴収されるように改善されていることを祈り、他にも同様のケースがもしもあるならば、全ての場合において正しく運賃徴収が行われるシステムになることを願っています。

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