国際生物学オリンピックまでの道 ~第2回 本選~

はじめに

予選を通過したら、次は本選です。
…正直、「勉強法」という観点から本選に関して言うことはあまり思いつきません。第0回・1回記事でも述べたように、予選から本選までは時間がなく、予選までの生物学学習の成果(&本選の謎形式試験への適性)が本選での成績に最もよく反映されると考えているためです。

しかし、本選が「大会」という特殊な色合いを持っていることは事実です。そんな場で実力を発揮できないのは勿体ないので、この記事では主に心構え面を述べていくことにしますが、割と言いたい放題&適当なので無視するか適当な慰めにしてください。

実験試験対策

以下の記事をご参照ください。本選レベルでも使えると思っています。
国際生物学オリンピックの実験試験ってどんなもの?|地中海 (note.com)
ざっくり要約&補足すると、
・実験試験は「計画」「手技」「分析」の3パートに分けられる
・実験結果に関係しない分析パート(記述)が勝敗を分ける
・特に実験設備がある人は、実験の典型題に一通り触れよう
という感じです。

理論試験

※2024/7/12 この節を追加しました

本選で成績を最大化することを考えるなら、理論試験や実験試験の理論パート対策は高校生物最優先です。高校生物の図説を使いこなせるか否かで最も差がつきます。
ただ、この先を考えるor本当に最上位の成績を残したい場合、「キャンベル生物学」を図書館などで軽く読んでみましょう。代表候補前の時点でキャンベルがある程度読めていると今後有利ですし、図説を読みながら裏にキャンベルで読んだ現象を思い浮かべる段階まで至れれば上位層にも食い込める筈です。

雑なアドバイス

交流しよう

本選には面白い人がたくさんいます。積極的に交流しましょう。
自分はオフラインで参加した唯一の大会、緊張のあまり本当に前後左右の人としか話せなかったのを覚えています 。勿体なかった。
X(旧Twitter)も、アカウントを作っておくと情報戦に強くなります(最近は下火ですが)。どこまでも上が見られる、というのも長所の1つです(使いこなせるかは人によりますが)。

質疑応答には乗ろう

これは同意してくれる人が少なくて悲しい。でも一般高校生にとっては研究者の方と話せる数少ない機会なので、これをモノにできるぐらい勉強する、というのは割とモチベになると思っている。

台風がJBO本選に出場する件

オフライン大会にはここ3回以上連続で来ています。軽率に行けなくなるし、軽率に帰れなくなると思ってください。
大会前には天気予報をよく確認しつつ、必要そうなら余分な荷物や金銭を準備しましょう。

代表候補≒キャンベル生物学

15000円です。
15000円です。(大事なことなので2回言う)
試験面でも、この段階より前にキャンベル生物学を買う必要はそこまでありません(第1回でも言いましたが)。
高校生物をやるだけやって、15000円をもぎ取りましょう(既に持っている方は他の本を貰えるらしいので安心してください)。


とても雑な体験記

自分が参加した2022年の本選直後になんか書いていたらしいので、雑に要約。黒歴史をPCに残した自分が悪い。

~前日

・事前ガイダンス/交流会(オンライン)
当日までお世話になるSCIBO(学生スタッフ)の方や、一緒に行動する班のメンバーと顔を合わせた。
・X(当時Twitter)
交流目的で始めたが、もっと早く始めればよかった。
・試験対策(学校の定期試験を捨てた)
直前一週間ほど人間を放棄。苦手のまま放置していた分野のうち、知識があれば点が取れる(資料集読むだけで良い)生理学・発生を重点的に対策。
・心の準備
さすがにキャンベル(2.5㎏の生物学参考書)を持って会場入りするわけにもいかず、前日はキャンベルの写真を脳内・スマホ共に撮影し、早めに就寝(するつもりだったが…)。

1日目

・試験対策
午前は新幹線で新潟へ行った後、在来線で会場へ。対策があまりに終わっていなかったので、電車の中で資料集・「生態学入門」を見つつ、前年の理論試験で自信をつけながらモチベ上げ。
・食事
適度なタイミング(勉強会士から1時間半=理論試験1回分経過)で頭を休め、試験時に血糖値が下がらず眠くもならない時間を適当に計算して昼食(本選まで間があったため、お昼はカロリー高めかつ脂質多めのものを選んだが、結局早く食べ過ぎて会場のブドウ糖に助けられた。血糖値上昇アイテムの用意は推奨)。
・大問1(理論試験)
 90分、13問、選択式。割とすっきり解けた気がしたが、理論試験の成績が悪かった前年も同じような手応えだったので不安は残った。割と時間に余裕があったのに、最後の最後でミスに気付きながら直せず、悔しい思いをした。
・試験解説
 「異議申し立て制度」が導入され、教授を言い負かせば模範解答が変わる可能性があったが、出題側が制度を導入するだけあって問題は美しく、つけ入る隙などありはしなかった。だが、質問・議論ができたのは有難く、知的好奇心が刺激され続ける楽しい夜で翌日への弾みがついた。
翌日の朝が早かった為選手間の交流には参加せず、いち早く部屋に戻って就寝し、一日目を終えた。

2日目

・試験前~大問2
 理論試験で善戦したことに動揺し、折角作った朝の空き時間は有効に使えなかった。試験直前まで緊張が解けず、大問2の結果を危惧していたが、幸いにも試験は直前に勉強した発生分野からの出題。さらに、問題内容が「俺の研究成果を見ろ」とばかりの親切設計だったため、スロースターターの自分には有難い展開。ただ焦りすぎてミスが増えたので、時間配分は適切に計算すべきだったと少し後悔した(時間不足よりはマシだけど)。
・食事
 バスで昼食会場に移動。移動中に直前の試験の最終問題の解答(特に自信があったもの)を確認し合い、周囲の戦意を削ぎにいくことを狙う。ハッタリにどこまで効果があったかは分からないが…。
 昼食は(も)非常においしかった。いくらしたんだろうこれ
・大問3
 午後は生化学の試験で、内容はIBOの特別教育で扱った題材の簡単版。自分の実験手技は一応スムーズだったが、サンプルを一つ作り忘れた上、苦手意識があった解析で目盛りを読み間違えて半分パニックになり、雑なグラフを提出してしまった。筆記のみで解ける問題をこなしたり計算問題の立式を強調したりして、なんとか挽回(できたか…?)。最後の問題は終了ギリギリまで解答・修正していたが、1日目の反省が活き、修正中の白紙を提出することは免れた。
・お楽しみタイム
 全試験が終了し、大学や近郊の研究室・設備を散策するツアーに突入。しかし、唐突な班対抗クイズ大会(記述式かつ景品あり)が始まり、選手は存在しないはずの大問4を真剣な顔で解くことに。夕食時に大問2・3の(食事がおいしすぎてあまり集中できなかった)解説を受け、前年IBO出場者から大会の体験を聞いた。班対抗の交流会では、ジェスチャーゲーム(題材は「口」「遠心分離」「シナプス」など)や、スタッフが腕によりをかけて作った生物クイズ(景品あり、実質大問5。うちの班は途中まで優勢だったが最後に逆転され二位。自分のやらかしが一因なので悔しい)などを楽しんだ。
・~台風、JBOに参戦~
 台風の接近により交通機関が麻痺しており、帰宅時間を変更せざるを得ない地域があった。ここで一足先に帰宅する人や翌朝に帰宅する人、さらに一泊する人がおり、若干の混乱発生。JBOは台風と仲が良いらしいので、会場が家から遠い時は振替輸送を意識して大会準備を進めよう。

3日目~

・交流
 朝食に舌鼓を打ち、自室で休んだのち閉会式へ。この休憩時間は暇で、ツイッターで交流したり、ロビーで一足早く集まってアミノ酸トランプ(参加賞の、カードが各柄20枚ある狂ったトランプ。ヒント:アミノ酸)で神経衰弱をしたり(アミノ酸の立体構造が書いてあったため、普通のトランプで行うより格段に覚えやすかった)、各自のんびりと過ごした。
・閉会式
 大学に再度移動し、閉会式(表彰式)へ。偉い方のありがたいお話を聞いた後(緊張していたので、表彰を先延ばしにするお話は本当にありがたかった)、大会の振り返りビデオを視聴。スタッフ長がセミプロのカメラマン&スタッフに動画編集のできる人がいたこともあり、思い出に残る最高のビデオを作って下さった。
・後日談
 Twitterは治安が悪い(詳細秘匿)

今回は本当に駄文しか言うことがなくて申し訳なかったです。締め方も分からないのでここら辺で適当に締めます。
第3回以降は少々公開が遅くなるかもしれませんが、代表候補は母数が少ないのでご容赦ください。

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