イペンシ・ノキマ

6,70年代のフランス映画が好きです。今はいろんな映画を観ています。

イペンシ・ノキマ

6,70年代のフランス映画が好きです。今はいろんな映画を観ています。

最近の記事

転生物語

1     「あなたを迎えに来ました」  と言われたとき、私は喜びや感動より、戸惑いの方を強く覚えた。彼女――その女性は首都の教会の神官を務めていると名乗った――が私をどのような理由で、呼びに来たかわからなかったからだ。  「なんの、為にですか」と、私は尋ねた。  「それは、おいおい分かってくるはずです」と、彼女は柔らかく笑って、言った。  「おいおい、ですか」  「ええ。おいおい」  神官、と名乗る彼女の背後には、7,8人の部下らしき聖職者たちが並んでいた。

    • AIは何を考えているのか? AI小説、『星の下の子ども』

      AIのべりすとさんを利用して、AIを使った連続ものの小説を書いています。 AIには独特の思考の癖があって、それが物語を奇妙な方向に牽引していくのが面白いです。 以下に貼り付けた小説は、ほんの少しだけ僕がAIのお手伝いをしただけで、あとはほとんどすべてAIが独自に創り出したものです。 独特の雰囲気があるので、ぜひ読んでみてください。 AIは、なにを思考するのか? 今は次の連続ものに向けて準備中です。 毎日短いものをAIに書いてもらい、アップしています。 良かったらぜ

      • トビー・フーパー、『悪魔のいけにえ』、今更観る名画の薦め。

         最近、偶然映画好きの方と知り合うきっかけがあって、その方と深く映画の話をする機会に恵まれました。  しばらく互いの趣味を探るようなやり取りがあったあと、  「一番好きな映画はなにですか? 」  と、お決まりの質問に行き着いたのですが、その方は、 「私はテキサス・チェーンソー・マサカ―(邦題『悪魔のいけにえ』)ですね」 と答えました。当然、僕もこの映画の名前くらいは知っていましたが、あまり自分の好みとフィットしているとも思えず、これまで避けて来て観てはいなかったのです。

        • ミヒャエル・ハネケ『タイム・オブ・ザ・ウルフ』を観て。意図的に作り上げられた自然状態のなかで。

           映画批評、ハネケの『タイム・オブ・ザ・ウルフ』についてです。  なにかの壊滅的なできごとが地球(あるいはヨーロッパ)に到来して、そのために突如として原始生活に陥ったひとびとを描いた映画です。ハネケらしく「なぜそうした災害が生じたか。また、それはどういう災害であるか」という部分は映画にはありません。本来「主人公の立たされた状況の理由」として働くであろうその箇所は、映画の構成上、意図的に省かれています。ほかの多くのハネケ映画でも良く見られる技法ですが、フランツ・カフカの多くの

          ミヒャエル・ハネケ『セブンス・コンチネント』、わからなさの薦め

           『セブンス・コンチネント』という、ミヒャエル・ハネケの処女作に当たる作品を観ていました。  僕はハネケの作品は一通り目を通しているのですが、この作品もほかのハネケ映画と同様、かなり奇妙な映画だと思います。  ハネケ映画を観たことのあるひとなら誰でも共感して貰えると思いますが、ハネケの映画というのは、観終わったあとにどう感じたら良いかがわからない。内容がわからないのではなく、不快さが際立っているというのでもなく(ハネケ映画は不快は不快なのですが)、映画のなかの物語をどう受

          ミヒャエル・ハネケ『セブンス・コンチネント』、わからなさの薦め