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「読書案内」を読んで

この本は読書の手引き書であり、目次を開くと、「はしがき」、「イギリス文学」、「ヨーロッパ文学」、「アメリカ文学」で構成されてます。

モームは、「はしがき」で次のように書いてます。「世間には、自分はよめない、というひとがよくあるが、わたくしの気がついたところでは、そういう人びとは、精神のすべて重要な仕事にうばわれておるため、想像上の出来事などに頭を用いる余裕はまったくないのだから、よめないのだと考えがちである。だが、それは思いちがいであると、わたくしは思う。そういう人びとに小説がよめないのは、自分のことだけに心をうばわれていて、自分以外の者の身におこることには、ぜんぜん興味がもてないためであるか、あるいは想像力が不足していて、小説にあらわれた思想を理解することも、作中人物の喜びや悲しみに共感することもできないためであるか、そのいずれかである」となかなか辛辣なことを書いてます。

私がなぜ文学書とか読んできたかと自分に問いかけてみたら、一つ目は小説を読むと感動したり、哀しんだり、ワクワクしたりする情緒的な部分と、他の人の考え方に触れることができる。そして精神的・心理的な飢餓感を埋めることができる。二つ目としては、本を読むこと自体が楽しい、面白く、読んだ後、精神的な充実感を得られる。
三つ目は、地球上に生まれ、自分より数段優れている人達が残した、人類の文化的遺産である文芸品を読んでみたいという知的好奇心からです。

モームはメルヴィルの「白鯨」を無条件で傑作とみなしています。
イギリスでは、スウィフト、オースティン、ディッケンズ、ブロンティ
ヨーロッパでは、セルバンテス、モンテーニュ、ゲーテ、ドストエフスキー、トルストイ、ヴォルテール、ルソー、バルザック、フローベル、プルースト
アメリカでは、ソーロー、ホーソン、エマソン、マークトウェン、ホイットマンについて書いてます。

自分の小説感、小説に対する考えと、モームの小説に対する見方を比較しながら読んでみても面白いです。

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