見出し画像

ウマ娘3期の感想を語ってみた話

年末に熱発して未だに体調が回復していません。
はあ辛い。

さて、2023秋アニメのウマ娘3期も12月末に最終回を迎えましたね。
ネット上では評価が二極化しているように見受けられますが、私も便乗して感想などを述べてみたいと思います。

私の個人的な3期に対する全体評価としては、5点満点中3点で、正直やや期待外れだったなというところです。
期待外れと感じた理由と、さはさりながら設定として評価している部分もあり、以下でそれぞれについて記載していきます。

⚫︎期待外れと感じた理由

2期と比較してしまった

実際のところ、これが期待外れと感じてしまう理由の(あえて数値にするならば)80%程度を占めていると考えています。
それだけ原作・トウカイテイオーの競走馬生がドラマティック過ぎたし、それを全13話の物語として完璧な構成に落とし込んだ制作陣が偉大過ぎたんですよね。

一視聴者に過ぎない私ですら3期スタート前から「おそらく2期を超える話を作るのは難しいだろう」と感じていましたし、とはいえ「また2期のような心震える話を見たい」という期待感も抱いていました。
2期と3期は別物だと意識しながら視聴していたのですが、やっぱりどこかで2期と比較して物足りなさを感じてしまったのも事実です。
したがって「期待外れ」の前には(2期と比べて)という暗黙のワードが入ってしまうんですよね。
決してキタサンブラックが悪いわけではないのですが、比較対象が強すぎたというところでしょうか、、。

強い逃げ先行馬をドラマティックに描くのは難しい

これも理由のうち10%程度の割合を占めるのではないかと思料しています。
入門者レベルではありますが私もリアル競馬は嗜みますので、それぞれの脚質が重要な要素であることも、逃げ馬がそのまま逃げ切って1着を取ることがそれなりに困難なことも承知しています。
しかしキタサンブラック等の強い逃げ馬を擬人化すると、本当にただの速くて強い人にしかならないんですよね。
何でだろうと考えてみたのですが、人間の場合、短距離走にせよ長距離にせよ強い人はスタートからゴールまで常に先頭集団にいるので、駅伝やリレー競技でない限り後方から一気に先頭を捕えるケースがほぼないからではないかと思い至りました。

だから主人公としてのドラマを描くのであれば、主人公より前方(=主人公より強い表現)でレースを進めるライバルに食らいついて最後にかわす展開がカタルシスを生み出しますし、そういう意味では先頭でレースを進める逃げ脚質のキタサンブラック目線のレースよりもジャパンカップの(最終直線のクソデカ感情は置いといて)差し脚質であるシュヴァルグラン目線のレースの方に胸を打たれるのも自然なことなのかもしれません。

では、なぜキタサンブラックと同じく逃げ脚質である2期のツインターボは感動を生んだのか。
すべてを諦めたテイオーのレース復帰のために皆が想いを一つにした部分もあると思いますが、やはりポイントは、逃げ馬が勝つために必死に逃げている姿を描いているからではないでしょうか。
描写次第ではあるものの、おそらくですが、2022年天皇賞秋や、2023年ジャパンカップのパンサラッサを擬人化しても同様の感動を覚えると確信しています。
レースのペースを作り、馬群を牽引しながらも最後は捕まってしまうことの多い逃げ脚質の魅力は、他馬との駆け引きや捕まってたまるかというド根性、泥臭い必死さから掴み取る勝利だと思うんですね。

そう考えていくと、個人的には3期キタサンブラックのラスト有馬のレース前半部分はもう少し必死さが欲しかったように思います。
例えばですが、ピークアウトを迎えているからこそ、身体能力のみではなくテクニック(2期テイオーの菊花賞観戦の「ここであの娘が仕掛けてくる」的なやつとか、ラップタイム意識とか)で抗う様子を見たかったですね(もちろん4角で観客席を見て目が醒めるのはそれが主旨なので異論はありません)。

新規ウマ娘の紹介がメインになってしまった

特に物語の前半にこの傾向が見られましたね。
いや、1話開始5秒で「外からドゥラメンテ!」はめちゃくちゃ興奮しましたし、3話のゴルシ回で「暴君・貴婦人」の匂わせで「やっぱ実名は無理かー」と思わせてからの「待ってろよ!オルフェーヴル!ジェンティルドンナ!」は「やりやがったなサイゲ(歓喜)」ではありました。
Xでもトレンド入りしましたし、話題作りとしては大成功だったと思います。思うんですけどね、、。
結果的に3期の話題が新規ウマ娘ばかりになってしまったのは残念だなと感じています。
まあそれはそれとして、ゲームの方のウマ娘もプレイしている身としてはステゴ一族を揃えるのが夢なので早いところオルフェーヴルと親分である黄金旅程ことステイゴールドを実装していただきたいものです。

掘り下げのない登場人物が多すぎた

スマホゲーがベースのアニメあるあるですよね。
キャラが多すぎるんよ、、。
私マギアレコードもそこそこ長くプレイしているのですが、数年前にアニメ化したマギアレコードもウマ娘3期同様にとっ散らかってましたからね。
オリジナルのまどマギがあれだけ綺麗に纏まっていたのは、脚本・構成のクオリティが高かったことは大前提として、主要登場人物がコンパクトで、物語を動かすキャラが絞り込まれていたというのも大きいと思っているんです。

ウマ娘2期を振り返ると、確かにネームドキャラは大勢登場しているのですが、1話1話を見ると掘り下げるべきキャラは絞られていて、その他のキャラはノイズになっていないのに気付かされます。
ライスシャワーを2話使ってしっかりと掘り下げることで、メジロマックイーンとの対決に厚みを持たせたり、メジロマックイーンの背負うものや矜持を描写し、テイオーがそれらを受け取る形でラストの有馬で奇跡を起こしたりとすべてが綺麗につながって美しい流れが完成していました。
しかし、これは怪我によって戦線離脱しているテイオーのレースを描かない(描けない)ことで成り立っているのかもしれず、そう考えると春と秋の古馬3冠に皆勤で挑んだ=レースで絡んだ娘の多いキタサンブラックの物語はやはり難易度が高すぎたのかもしれません。

⚫︎評価している点

ピークアウトをテーマとしている点

ネット上での意見を見る限り、この点で賛否両論になっているように感じますが、個人的には新しい切り口で評価しています。
一度だけ一緒に走っているゴールドシップとの絡め方や、史実でも謎負けとされている宝塚からジャパンカップにかけての描写の理由づけとして無理がないと感じたからです。
惜しむらくは、ゴールドシップから受け継いだルービックキューブの扱いが最後おざなりになっていた点でしょうか。

春天のカメラワーク等のレース描写が良い

それまではレース描写が割とあっさりとしていた印象だったのですが、春天は力入ってましたね。
ドローン撮影したようなカメラワークには興奮しました。

オーラの扱いに納得感があった

最初は正直あのオーラ好きではなかったのですが、全盛期を過ぎてからはラストスパートでオーラが出なくなったんですよね。
主役ブースト笑と思っていたので、ピークアウト表現の1つという意図を感じてからは納得しています。

サブキャラの負けレースを新聞で描写している点

これは完全に個人的な好みです。
ゴールドシップにしろサトノダイヤモンドの凱旋門にしろ、新聞の一コマで表現しているところが大々的なニュースにもならない悲哀や本人の無念さが伝わってくるように感じます。

最終回のウイニングライブがご都合主義ではなかった

これも個人的に高く評価しています。
ウイニングライブ原理主義としては「例えサブキャラであろうとも3着までに入っていないならばライブに出るべきではない」をこれからも強く主張していきたい所存です。

細かく見ればまだまだあるのですが、こんなところでしょうか。
5月にはジャングルポケット主役の映画公開ということで、ウイニングライブ原理主義としてはライブどーすんの どーすんの??と思わないでもないですが、楽しみに待ちたいところです。
最後に、ウオッカ推しの私としては2期を超えるような完成度の高いウオッカの物語を切に切に希望しています。
私からは以上です。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?