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蜂の襲撃を受ける

Day 97(7/28)    1,002ー*19*ー983    Manassas Gap Shelter
 逆走する事もなく、順調に距離を稼いでいた午後に、小川の脇にバックパックを置いて給水の準備していると急に蜂に襲われました。地蜂の巣の辺りをバックパックか足で壊したのでしょう。「いたい、いたい。」と叫びながら、荷物を置いて100mぐらい逃げたでしょうか。途中で全身に付いている蜂を振り払いながらです。
 まずは落ち着いてどうするか考えました。アナフィラキシーショックの事も頭には浮かびましたが、駆け込む病院がありません。荷物を回収する必要があるので、バックパックの場所まで戻りました。まだ蜂がバックパックの背中とハンカチを攻撃していました。(画像参照)汗の匂いに反応しているようです。早く逃げて正解でした。バックパックの脇のポケットに入っている虫除け(殺虫剤ではないが)スプレーを手早く取り、全身とバックパックにスプレーしました。
 荷物を数mずらして、浄水セットなどをパッキングしました。予定の宿泊地まではまだ数マイル残っています。心拍数を上げると毒が全身に回るのではないかと心配したのですが、大丈夫だと自分に言い聞かせて歩きました。手持ちのものは虫刺され用の痒み止めと鎮痛剤しかありません。高熱が出ることもあろうかと鎮痛剤(カロナール)も服用しました。
 10〜20か所刺されたと思います。耳、肩、腕、膝、腹など近くの場所にダブルで刺されたりしました。痒いだけならなんとかなるでしょう。蜂は2cmぐらいで細いので毒素が少なかったのだろうと勝手に決めつけ安心しました。

肘の辺りをダブルで刺されています

Day 98(7/29)    983ー*14*ー969    Tom Floyd Wayside (shelter)
 蜂に刺されたところは痒いものの、なんとか我慢できそうです。その他の症状が出ないで済みました。
 この日はトレイルヘッドから1マイルほど離れた食料品店で買い出しする予定です。道路を歩いていると車が止まり、「買い出しだね。連れてってあげるよ。」とピックアップしてくれました。「そこ」だと告げると、「この先にもっと充実した店があるけどどうする?」「戻るのに大変だから」「トレイルヘッドまで送ってあげるよ。」という事で彼の勧める食料品店に行きました。買い物中に彼はサンドイッチを食べながら待っていてくれました。
 彼はAT、PCTのスルーハイカーだそうです。お休みの日だったかもしれませんが、まだリタイアする年令でもないのに他人のために1時間ぐらい時間を使う余裕のある生活がいいなと思いました。そしてトレイル近くの街に住んでいて、ハイカーに会えるという環境も羨ましいです。

ベンチ付きシェルター

Day 99(7/30)    969ー*11*ー958    Gravel Springs hut (shelter)
 適当な宿泊地が見当たらないので、この日は11マイルで終了して1時過ぎにはシェルターに到着しました。寝袋(sleeping bag)や靴を日干ししました。寝袋が湿って寝心地が悪くなる事は、今回のハイキング中にはありませんでした。靴や靴下はいつも湿っていて、朝までに乾くことはあまりありませんでした。
 日本に行ったことのある老父婦とおしゃべりしました。富士山に登ったり、中山道を歩いたりしたそうです。昔、ATをスルーハイクしたと言うおじいさんがやって来ました。彼のTシャツは中央にホワイトブレイズがデザインされて格好良かったです。ホワイトブレイズとはトレイル上の木や岩に横5cmX縦15cmのサイズのペンキのマークの事です。アパラチアントレイル独自のスタイルです。

晴れても雲が多い気候です

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