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任天堂創業家ファンドが東洋建設に対するTOB価格を引き上げ

昨日、週刊東洋経済を購入しました。今回の特集ではいくつかの観点から銘柄ランキングが出ており、この中から株価の低い銘柄を洗い出し、決算分析をする投資先候補のスクリーニング作業を、本日から開始しました。10月下旬から各社の2Q決算が始まるので、決算を見て銘柄を仕込むには、今のタイミングで銘柄分析が大事かなと個人的には思っています。ただ、新規の銘柄は1社分析するだけでも結構な時間がかかるので大変ではありますが。

さて本題ですが、任天堂創業家ファンドと東洋建設の間で株式公開買付(TOB)に関する攻防が続いていますが、本日、創業家ファンドがTOB価格の引き上げを提案した模様です。次のとおりプレスリリースを公表しています。
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/09/20230926.pdf
これまでの1株1000円を1255円に引き上げる提案のようです。上記のプレスリリースから以下、一部抜粋します。

そこで、当社らは、本書をもって、当社買収提案を以下のとおり変更することをご提案いた します。なお、当社買収提案は、現時点においても法的拘束力を有する提案として有効に存続 しており、以下のご提案は、下記に記載の「変更の条件」が充足されることを条件として、当 社買収提案の内容を変更するものです。 
・変更後の本公開買付けの公開買付価格: 1株あたり 1,255 円
・ 変更の条件:当社らが合理的に満足する内容による貴社に対するデュー・ディリジェン スが実行され、①新中期経営計画における収益計画・成長戦略の実現可能性が確認され ること(例えば、新中期経営計画における貴社の売上高及び営業利益の計画数値が 90% 以上の水準にて実現できることが確認されること)、並びに、②貴社に対するデュー・ ディリジェンスを通じて、貴社において重大な潜在債務等が存在しないこと、貴社にお いて法令・規制上の重大な問題が存在しないこと、貴社の通常業務に悪影響を生じさせ る第三者との契約上の重大な問題が存在しないこと、その他この種の取引で通常精査さ れる会計・税務・法令上の重大な問題が存在しないことが確認されること

東洋建設の9月26日付けプレスリリース

東洋建設はどうするのでしょうか?

ここで忘れてはいけないのは、「企業買収における行動指針」です。

過去に何度か記事を書かせて頂きましたが、同意なき買収があった場合には、取締役会は提示された買収価格等の条件を軽視してはならず、株価水準より高い買収価格の場合、十分に検討することが必要です。
また、示された買収価格・企業価値向上施策と現経営陣の下での企業価値向上施策を定量的観点から取締役会は検討することなども必要です。念のため以前の記事を最後に再掲いたします。

つまり、東洋建設は今回のTOB価格を上回る株式価値の達成可能性を合理的に示すことが必要になるのだと思います。結構大変ですね。